ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。前回は、ユネスコにより世界記憶遺産として認定されたグェン王朝の行政文書についてご紹介しましたが、今日のこの時間はこれらの行政文書に示された国の領海の主権についてお話しましょうか?
ホアイ はい。タイムリーな話題ですね。ベトナムの領海と島の領有権を記録する資料としてあげられるのはグェン王朝の行政文書と、『大南實録正編』、『大南一統志』などグェン王朝の史書です。
アン グェン王朝時代の王様は軍事、交通、貿易、漁業などの分野に対する領海と島の重要性を認識した上で、領海と領土に関して、終始一貫した立場を持っていました。
ホアイ そのため、グエン王朝の歴代の王様は領海と島の領有権に関する政策を制定した他、ホアンサ群島とチュオンサ群島を含め、ベトナムが領有権を主張していた東部海域にある島々で実効支配していたわけですね。
アン そうですね。ベトナムの最後の封建時代となるグェン王朝は1802年から1945年まで存在しましたが、それより200年前の1558年(正治元年)、阮黄(グエン・ホアン)が鎮守に就いた後は代々阮主の治めるところとなりました。その代々の阮主はベトナム領土の拡大に大きく貢献してきましたね。
ホアイ そうですね。グェン王朝の初代の王様であるグェンアイン(阮暎)、つまり、ザーロン王が即位してから、漁業を通じて、国の経済を発展させる重要性を十分に認識し、国の領海の確保に配慮しました。ザーロン王は海上の検査を行うと共に、海上での貿易活動を担当するため、ホアンサ部隊、北海部隊などを結成しました。ベトナム学と開発科学研究所のグェン・クアン・ゴック( Nguyen Quang Ngoc) 博士は次のように語りました。
(テープ)
「ザーロン王はホアンサ群島とチュオンサ群島に対するベトナム領有権を強く主張しました。当時、ベトナムと交易活動を行っていた商人や西側諸国の宣教師によりますと、ザーロン王はホアンサ群島にベトナムの領有権を主張するため、旗を立てた唯一の人でした」
ホアイ グェン・クアン・ゴック博士は次のように語りました。。では、この辺でちょっとティタイムにしましょう。
「 」 をお送りしました。
アン 話を続けましょう。グェン王朝の2代目の王様である明命王はホアンサ群島とチュオンサ群島に対するベトナム領有権を主張するための活動をさらに強化しました。
ホアイ 明命王はホアンサ群島に公務班を派遣して、面積の測量や標識の設置などを行いました。漢字とチュノム文字研究所のグェン・コン・ビエット( Nguyen Cong Viet) 所長代理は次のように語りました。
(テープ)
「グェン王朝の行政文書には標識の寸法を明確に記しました。これらの島に標識を設置することは私たちの主権を示すものです。また、当時、グェン王朝はこれらの島の地図を作成し、そこに行政区画を設置するため、公務班を派遣しました。封建時代と言えど、当時は広い視野を持っていました。」
ホアイ これまでに保存されているグェン王朝の行政文書の中には10枚の文書は領有権の主張に関連するものです。明命王が批准した行政文書の一枚には「1830年に、ホアンサ群島の海域を通過中のフランスの船が座礁していた。明命王はその船を救難するため、部隊を派遣した」ということが記されています。先ほどのベトナム学と開発科学研究所のグェン・クアン・ゴック( Nguyen Quang Ngoc) 博士はさらに次のように語りました。
(テープ)
「明命王のこの行動はベトナムが領有権を主張した海域に対するベトナムの最高の権力者の責任感を示しました。」
ホアイ ゴック博士の話でした。当時、明命王はベトナムが領有権を主張している海域と島における救難活動、地図作成の他、ホアンサ群島で神社、寺院の建立などを行いました。グェン・クアン・ゴック( Nguyen Quang Ngoc) 博士はさらに次のように語りました。
(テープ)
「当時、ベトナム漁民はホアンサ群島まで行くため多くの困難と危険に遭遇したので、この島に神社などを建立し、幸運を祈りました。その他、島の周辺に木を植えたり、主権を示すため、木造の碑を設置しました。」
ホアイ ゴック博士の話でした。トゥドゥック(自徳)王の時代に、多くの困難に直面しましたが、ホアンサ群島に対する主権を引き続き実効支配していました。グェン・クアン・ゴック( Nguyen Quang Ngoc) 博士は次のように語りました。
(テープ)
「1869年に、中国の福建省からシンガポールに航行していた中国船がホアンサ群島で座礁しました。トゥドゥック王は救難活動を行うため、人員を派遣しました。これはトゥドゥック王の仁愛の心を示す他、ホアンサ群島に対するベトナム主権をも示しました」
ホアイ このように、グェン王朝の歴代の王様は領海の領有権を積極的に実施してきたんです。そんな素晴らしいものがユネスコの記憶遺産に認定されたことを嬉う思いますね。
アン そうですね。では、おしまいに歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
「歌」をお送りしました。
リスナーのみなさん。今日のこの時間はグェン王朝時代の行政文書に示された国の領海の主権についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。