ホアイ  こんにちは、ホアイです。ソンさんとハノイ便りをお送りします。ソンさん、よろしくお願いします。

ソン よろしくお願いいたします。ベトナム北西部ソンラ省イェンチャウ県は首都ハノイから北西へ240キロ離れたところにあります。イェンチャウ県にはバナナ、マンゴーなど熱帯の多くの果物があります。

ホアイ イェンチャウ県にはバナナの茎を使用した「クオイ・グォン」( Cuoi nguon) という料理がありますが、これはイェンチャウ県に住む少数民族タイ族にとって欠かせない料理です。

ソン 今日のこの時間はタイ族の「クオイ・グォン」という料理についてお伝えしましょうか。

ホアイ 「クオイ・グォン」とはタイ族の言葉で、バナナという意味があります。イェンチャウ県のタイ族のお年寄りによりますと、このバナナがいつから生まれたかわかりません。しかし、イェンチャウ県のバナナの木は他の地方で植えられるバナナと違って、群になって植えるではなく、一本ずつ植えます。

ソン また、イェンチャウ県のバナナの木はタネから育ち、一本の苗として単独成長します。バナナの葉は若葉の色で、バナナの実が熟すと、その木は徐々に枯れてしまいます。その後、地面に落ちたバナナのタネが新しいバナナの芽を出します。

ホアイ イエンチャウ県に住むタイ族のル・バン・バイン( Lu Van Banh) さんは次のように語りました。

（テープ）

「イェンチャウ県のタイ族の言葉にはバナナの木を「グオンの木」と呼びます。昔、このバナナの木は森林に生えていましたが、後に、いくつかの家族はこの木を田園や畑に植えました。現在、イェンチャウ県のどの家の庭にも、日常生活に利用する食材として、このバナナの木が植えられています。一般的な家族には５～１０本のバナナの木を植えます。３０～４０本も植える家族もあります。バナナの木を植えない家族はバナナの木を買いに行きます」

ホアイ 昔から、イェンチャウ県のタイ族の人々は毎日の食材にするため、林に入り、バナナの木を含め、竹の子や山菜などを取りに行きます。そのうち、バナナの茎から作られた料理は地元のタイ族の生活に欠かせないものとなってきました。特に、正月や行事のご馳走を作るとき、かならずバナナの茎を使った料理がなければなりません。先ほどのイエンチャウ県に住むタイ族のル・バン・バインさんは次のように語りました。

（テープ）

「結婚式、葬式、新築祝いなどに作られたご馳走には各種の肉や野菜がありますが、バナナの茎から作られたスープは欠かせないものです。また、イェンチャウ県にあるレストランでもこのスープは地元の特産品として、かならず用意されます。イェンチャウ県のタイ族の人ならだれもがこのスープが好きです」

ソン 今日のハノイ便りは、タイ族の「クオイ・グォン」という料理についてお伝えします。ここで、歌一曲を送りしましょう。「～」です。

（曲）

「～」をお送りしました。

イェンチャウ県のタイ族の家族はいつもバナナの木を用意していますが、美味しいバナナのスープを作るにはちょっとしたノウハウがあります。

ホアイ バナナの茎を切ってから、彼らは外側の硬い皮を剥いて、バナナの茎の中央部分だけを使います。その後、スライスして、豚や牛などの骨付き肉でがよく煮たスープに入れます。その他、このスープには必ず酸っぱいの味がある葉を入れなければなりません。先ほどのイエンチャウ県に住むタイ族のル・バン・バインさんはさらに次のように語りました。

（テープ）

「バナナの茎のスープを調理する時、バナナの茎をスライスしておかなければなりません。そして、結婚式や新築祝いなどの牛や豚肉があるとき、その肉の汁にバナナの茎を入れます。また、「ソンポン」という名の葉を入れます。この葉は酸味があります。タイ族のバナナの茎のスープは薪でコトコト煮ます。長い時間をかけてよく煮込まなければなりません。」

ホアイ タイ族の人々だけでなく、イェンチャウ県に住むすべての人々はこのバナナの茎のスープが好きです。現在、タイ族の料理も豊富になりましたが、タイ族の行事や祝日にはバナナの茎のスープは欠かせません。

ソン バナナの茎のスープはイェンチャウ県にあるレストランにも登場しています。これを通じて、イェンチャウ県を訪れる観光客はこの地の特産料理を味わうことができます。イエンチャウ県の住民ロ・ティ・モン( Lo Thi Mon) さんは次のように語りました。

（テープ）

「イェンチャウ県に住むタイ族の行事や祝日に食べられるご馳走にはバナナの茎のスープがなければ、ご馳走になっていません。バナナの茎のスープはご馳走の主要な料理となってきました。タイ族だけでなく、誰もがこのスープが好きです」

ソン イェンチャウ県に行ったら、必ず、バナナの茎のスープを味わってくださいね。ホアイ そうですね。では、おしまいに一曲お聴き頂きましょう。「～」です。

（曲）

「～」をお送りしました。

今日のハノイ便りは、タイ族の「クオイ・グォン」という料理についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。