タイ族の独自の文字の保存の努力

(VOVWORLD) -国際社会への参入を進めている背景の中で、文字を始め、タイ族の伝統的文化が失われる恐れがあります。
タイ族の独自の文字の保存の努力 - ảnh 1      タイ族の言語を教える教室

タイ族は主にライチャウ省、ディエンビエン省、ソンラ省、ホアビン省、タインホア省、ゲアン省など、北部山岳地帯や北中部に集まっています。言語はテイ・タイ語系に属し、独自の文字があります。タイ族の人々は広い平野や山々の近く、川沿などで集って暮らし、稲作に従事しています。

ベトナムの各少数民族の中でも、タイ族とテイ族の人口が最も多いです。タイ族は黒タイと白タイの2つのグループに分けられ、衣装で区別されます。

信仰の面に関して、タイ族は多神論を信仰し、祖先崇拝の風習を保っています。また、生活は稲作に結びついていることから「大晦日に水を汲む」や「雷を迎える」、「豊作を祈る」儀式などが行われています。

さらに死者は別世界に行って生き続けると考えられており、葬式は死者を天に送る儀式とされています。タイ族の名字はたくさんありますが、それぞれが独自の規則や規定を決めています。例えば、ロという名字の一族は鳥の肉を食べません。そして、白タイと黒タイの礼拝風習には相違点があります。

タイ族は畑仕事によって生活して水路を掘ったり、棚田に水を入れたりするなどに明るく、主食はコメです。タイ族は祖先から伝わる稲作に関する経験を誇りにしています。

しかし、国際社会への参入を進めている背景の中で、文字を始め、タイ族の伝統的文化が失われる恐れがあります。これを前に、ディエンビエン省はタイ族の言語を教える教室を開き、タイ族の独自の文字と言語の保存に力を入れています。

この教室を訪れてみましょう。(現場の言葉)

「私達はタイ族出身ですが、タイ族の言葉をわからないので、この教室にきているのです。

私はタイ族の出身ですから、タイ族の伝統的文字を維持したいです。そのため、志願してこの教室への参加を申し込みました。タイ族の古い文字を学ぶのは本当に難しいです。そのため、誰もが頑張らなければなりません。」

この3ヶ月間、毎晩、ディエンビエン省ディエンビエン県ノンルオン村の人民委員会の本部で、30人のタイ人はタイ族の古い文字を教える教室に参加してきました。その中で、最年長者は73歳、最少年者は15歳です。これらの人々はいずれも「タイ族の人ならば、タイの古い文字をわからなければならない」という共通の考えを持っています。

ロ・バン・ブオンさんは今年73歳になっており、目が暗くなり、耳が遠くなってしまいましたが、タイ族の古い文字を学ぶことができ、嬉しく思っています。ブオンさんの話です。

(テープ)

「私は以前、タイ族の現代的文字が読めますが、古文を読めません。しかし、この教室に参加して、タイ族の古い文字をわかるようになりました。今後、子供や孫たちにタイ族の古い文字を教えることができるようになりましょう」

タイ族の独自の文字の保存の努力 - ảnh 2     ルオン・テイ・フオン・リンさん

最少年者であるルオン・テイ・フオン・リンさんは今年高校1年生ですが、タイ族出身なので、タイ族の古い文字と文化を理解したいと述べ、次のように語りました。

(テープ)

「今、タイ族の古い文字を読めるようになりました。これらの文字が面白いので、大好きです。一つの言葉に様々な意義がありますが、単語と単語との組み合わせ方は特別です。」

また、ディエンビエン省の民族委員会のチュ・トゥイ・リエン副委員長は「近年、ディエンビエン省は文字と言葉を始め、タイ族の独自の文化の保存を目指し、様々な計画を実施してきた。その中で、タイ族の古い文字を教える教室を開設することもその活動の一環である」と明らかにしました。リエン副委員長の話です。

(テープ)

「この教室に参加する人々はタイ族出身の幹部や職員だけでなく、タイ族の若者も多くいます。この教室に参加してから、彼らはタイの言葉で歌ったり、読み書きたりすることができます。彼らは東南アジアを含め、世界に住んでいるタイ族出身の人々と交流することができます」

ディエンビエン省の民族委員によりますと、これから、タイ族の古い言葉を教える教室が毎年開かれます。これはタイ族の独特な伝統的文化の維持、保存に対する取り組みの一つと言えることでしょう。

今日のハノイ便りはタイ族の独自の文字の保存の努力についてお伝えしました。それでは今日はこの辺で。


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