ハノイの花の卸売市場として知られているクアンバー市場

山崎  こんにちは、山崎千佳子です。 

ソン  こんにちは、ソンです。

山崎 今日は12月27日ですから、来週のこの時間は、もう新しい年を迎えているんですね。日本は年末ムードがいっぱいでしょうね。

ソン そうですね。こちらベトナムは旧正月を祝う国なので、あと1ヶ月ぐらいすると年末の雰囲気になります。来年の旧正月、テトの元日は2月8日となっています。

山崎 ベトナムのテト前は、買い物などのバイクや車で道路がすごい渋滞しますよね。金柑の木や桃の花の鉢植えをバイクに積んで運んでいる人をよく見ます。

ソン はい。テトには、どの家でも花が飾られるんです。

ハノイの花の卸売市場として知られているクアンバー市場 - ảnh 1

山崎 花が好きな家とかちょっと裕福なお家だけではないんですか?

ソン 一部の家庭だけではなくて、ほとんどですね。花はそれぞれの世帯に春をもたらすと考えられているからなんです。テトの1ヶ月位前から、ハノイ市内の花市場が賑わってきます。

山崎 花も欠かせない正月用品なんですね。花市場は、ハノイにはどれくらいありますか?

ソン テトのために開かれるものはたくさんあります。例えば、おととし、2014年は、テト用の花市場はおよそ50カ所ありました。旧市街のハンルオックなどは有名です。

山崎 テト用の花市場ということは、常設のものではないんですね?

ソン はい。一年中開かれているのは、クアンバーという市場1つだけだと思います。

山崎 1つだけなら、その花市場はわかります。タイ湖に近いところですよね。

ソン そうです。今日のハノイ便りは、そのクアンバー市場についてお伝えします。

山崎 ハノイ市内には大きな市場がたくさんあって、花を扱っているところもあるような気がしますが、クアンバーだけが花の専門市場ということなんですね?

ソン はい。オウコー通りにあるこの市場は、もともと花を栽培する村の人たちが集まって花を売った場所なんです。この辺には、ニャッタン、ギータム、クアンバーといった花栽培の村がたくさんあったんです。

ハノイの花の卸売市場として知られているクアンバー市場 - ảnh 2
2時から4時まで開かれる卸売りのクアンバ花市場

山崎 なるほど。実は子供が通っていた幼稚園が近くにあったので、毎日のようにこの市場の前を通っていたんです。

ソン そうですか。クアンバー市場は一日中開かれているんですが、深夜2時から4時までが卸売で、残りの時間が小売となっているんです。

山崎 そうだったんですね。いつも8時半くらいに市場の前を通ると、花があまりなくて、これからオープンなのかな、と思っていたんですが、既にメインの売買は終わった時間だったんですね。

ソン そうですね。早い時間に卸して、そこで仕入れた小売業者が日中、花を売るということになります。

山崎 そう言われてみると、市場の地面には花が散乱していたりして、一通り終わった感じがしました。賑やかなのは、早朝というか2時だと深夜ですね。

ソン はい。卸売りが始まる2時になると、トラックや車、バイクが相次いで市場に集まってきます。一番活気がある時間です。

ハノイの花の卸売市場として知られているクアンバー市場 - ảnh 3
花の種類が豊富

山崎 市場で扱っている花は、ベトナムで栽培されたものですか?

ソン 外国から輸入されたものもありますよ。ベトナム国内のものは、ハノイや近郊、周辺の地方のものや、ベトナムで一番有名な花の産地として知られている中部のダラット産のものがあります。

山崎 クアンバー市場はハノイで唯一の花の卸売市場ということなんですよね?

ソン はい。ハノイだけでなくて、地方からも小売業者が買い付けに来るんです。夏でも冬でも、旧正月のテトの年始以外は毎日開かれていますが、市場が特に賑わう日はいつか、山崎さん、わかりますか?

山崎 難しいですね。バレンタインデーや女性の日は男性から女性に花を贈るので、市場は忙しくなるんじゃないですか?

ソン そうですね。バレンタインの2月14日と国際婦人デーの3月8日、旧暦の毎月1日と15日、そしてテト前です。

山崎 旧暦の毎月1日と15日は何があるんですか?

ソン その日はベトナム人はご先祖様に花などをお供えするんです。

山崎 なるほど。

ソン クアンバー市場で働くスタッフ(ハー・ティ・トゥさん)の話です。

(テープ)

「市場で売られる花は季節によって違いますが、いつも質がよくてきれいです。卸売りではかなり安くなっています。週末や祝日などは平日より多くの人が訪れますが、たくさんの人にいつも満足してもらえる品質の花を仕入るようにしています。 」

ハノイの花の卸売市場として知られているクアンバー市場 - ảnh 4
いつも笑顔を見せている売り手

ソン ここで一曲お送りしましょう。「〜」です。

(曲)

「〜」をお送りしました。

山崎 卸売市場でもあるクアンバー市場は、扱う花の種類もたくさんでしょうね。

ソン はい。卸売りの時間の2時から4時までは、花が山積みになっています。積みきれない物は、地面に無造作に並べられるほど数は多いです。色も赤、ピンク、紫、黄色など様々できれいですよ。

山崎 具体的にどんな花がありますか?

ソン ベトナムで栽培されているものでは、菊、バラ、ラン、カーネーション、グラジオラス、ガーベラ、ダリアなどが挙げられます。輸入ものでは、特殊なランやチューリップ、花菖蒲(はなしょうぶ)などがあります。

山崎 深夜と早朝の時間帯には、卸売の様子を見に来る人も増えているそうですね。確かに、卸しの売り買いは普段なかなか見られない光景ですから、楽しいかもしれませんね。

ソン そうですね。月に4回から5回ぐらいクアンバー市場を訪れるというハノイ市民(ゴー・トゥ・ヒエンさん)の話です。

(テープ)

「よく早朝の花市場に来ています。今日は旧暦の1日ですから、普段より活気があります。外の通りは人があまりいなくてすいていますが、市場に入るととても賑やかです。花がたくさんあるので、何を買ったらいいのかちょっと迷っています。」

ハノイの花の卸売市場として知られているクアンバー市場 - ảnh 5
クアンバ市場で花を仕入れた小売の女性

ソン クアンバー市場では、4時からは小売の時間になりますが、やはりそれ以前の卸し売りの時間の方が花をかなり安く買えるようです。質も良く綺麗だということです。初めて市場を訪れたという人(ブイ・トゥイ・ティエンさん)の話です。

(テープ)

「種類も豊富で、値段も手ごろです。好きな花を自由に選ぶことができて、とても嬉しいです。また、花がいっぱいで自然の中にいるような感じがして気分がいいですね。」

ソン 最近は、クアンバー市場は外国人観光客の観光スポットにもなっています。ベトナムの色とりどりの花を見ながら、夜が明けない時間に卸し売りの様子を楽しむことができるのが人気だそうです。イギリス人観光客(アンニ・ベル・ミラーさん)のコメントです。

(テープ)

「市場のいたるところに花がたくさんあります。とても綺麗ですね。ここは本当に特別な場所で面白いと思います。」

ソン 卸し売りの時間が終わって日が昇った後、クアンバー市場から人が減っていきます。市場で仕入れられた花は花屋へ運ばれたり、自転車や天秤棒で街を回る花売りの女性に売られます。

山崎 自転車も天秤棒もハノイならでは花売りの風景ですね。おしまいに、一曲お送りしましょう。

(曲)

「~」をお送りしました。

今日のハノイ便りは、ハノイ唯一の花の卸売市場として知られているクアンバー市場についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。


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