ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ お元気ですか、みなさん。ホアイです。
フン こんにちは。フンです。リスナーのみなさん。ベトナムの首都ハノイから東北へ20キロほど離れたところにあるバクニン省フーケー村は昔から伝統的な木工生産村として知られてきましたね。
ホアイ 特に、この村は木彫りの竜の生産村として有名です。現在、フー・ケー村の職人の手で彫られた竜は全国各地で見られますね。
フン そうですね。今年はたつどしですから、今日のこの時間は竜の彫り物をやっているフー・ケー村の伝統的木工産業についてご紹介しましょうか、ホアイさん。
ホアイ それはいいですね。フー・ケー村の木工産業は大昔から続いており、この村の製品は北部から南部まで全国各地で見られますが、この村の最も有名な製品は木彫りの竜です。
フン 昔から、ベトナムで、竜は権力のシンボルとして、皇帝の宮殿などでよく彫られていました。でも、その後、竜は村の神社や寺院、そして、公邸にも彫刻されるようになりましたね。
ホアイ ほかの村の職人と違って、フーケー村の職人が彫った竜は独自の美しさを持っていて、顧客を満足させています。長年、この歴史を研究しているグェン・バン・トゥさんは次のように語りました。
(テープ)
「フー・ケー村の木工産業は10世紀にあたるレー王朝時代から盛んになり、発展してきました。この村の職人は全国各地に行って、仕事をしていました。北部にある各寺院や集会堂で安置されている彫刻作品はいずれもフー・ケー村の職人により造られました。」
ホアイ グェン・バン・トゥさんの話でした。この50年、竜の木彫りに携わっている職人グェンキムさんはこの村の伝統的産業の維持、発展に全力を尽くしてきました。彼はフーケー村の人々に伝統的工芸を教育してきましたね。
フン そうですね。グェンキムさんの長男 グェン・ゴク・カーさんもベトナム政府から職人という称号をもらいましたね。
ホアイ そうですね。カーさんも自家の伝統について、誇りに思いながら、次のように語っています。
(テープ)
「祖父母の時代に、寺院の額を彫刻しましたが、父と私の時代には顧客の要求に応えるため、多くの新しい作品を作りました。竜の木彫りをする時、最も難しいことは竜頭を生き生きと見せなければならないということです。美しい作品に仕上げるためには良質の木材を使うことが大切です。たくさんの板を組み合わせて、絵画を制作する場合、同じ色と模様の板を使う必要があります。」
ホアイ カーさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。フンさん。
フン はい。「私のクアンホー村」をどうぞ。
ホアイ では話を続けましょうか。フンさん。現在、フーケー村の職人はコンピューターの補助で、製品設計を行っています。また、彫刻作業においても、近代的な機械や設備を使っていますが、いつくかの工程は機械化できませんね。
フン そうですね。そこで、創造性があり、手先が器用なフーケー村の職人の出番となるわけですね。
ホアイ そうなんです。最近、フーケー村の木工産業は急速に発展してきました。木工産業により、村の多くの人々はお金持ちになりました。木工生産施設の所有者の一人であるローさんは次のように語っています。
(テープ)
「2010年に、私たちの収益は80億ベトナムドンにのぼっています。特に、多くの人々に雇用を創出しています。私たちは数多くの円形テーブルと椅子を作っています。」
ホアイ ローさんの話でした。
フン フー・ケー村の行政府の幹部であるグェン・マイン・ティンさんによりますと、村人が伝統的産業の発展に有利な条件を整えるため、村の行政府は常に住民が銀行から融資を受けられるよう手続きを補助します。また、フーケー村の職人は製品のモデルを常に刷新するので、顧客の要望に応えていると明らかにしました。
ホアイ 村の木工製品は独自の美しさを保っているため、これらの製品は国内だけでなく、中国、ラオス、東欧諸国にも輸出しています。その内、製品の70%は中国に輸出しており、年間の輸出額はおよそ700億ベトナムドンにのぼるということです。
フン でも、伝統的職業の急速な発展により、現在、フーケー村は職人不足の問題をかかえています。現在、この村の就労年齢の85%は伝統的木工産業に携わっており、周辺の多くの労働者もここで仕事をしていますが、それでもまだ人員不足です。
ホアイ それで仕方なく、顧客からの注文を断ることもあるそうです。
フン もったいないですね。そのため、2009年以来、フーケー村の行政府はこの村の人々だけでなく、ほかの村の人々を対象に、職業訓練コースを開きました。
ホアイ 今後、フーケー村のこの職人不足問題が早く解決され、村の伝統職業がさらに発展するといいですね。
フン そうですね。では。おしまいに、歌を聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
ホアイ 「クアンホー村の娘たち」をお送りしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間は伝統的木工生産村フーケーについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。
来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。