山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
ソン こんにちは、ソンです。山崎さん、先週の日曜日、6月28日は何の日だったか知ってますか?
山崎 その一週間前、6月21日は日本では父の日だったんですが、28日は何でしょう?
ソン ベトナムでは「家庭の日」だったんです。2001年にベトナム政府が制定しました。みんなが平等に幸せな家庭を築くことを目標としています。
山崎 ベトナムには独自の「~の日」というのが多いですよね。
ソン そうですね。今年の家庭の日のテーマは「愛情あふれる家族の食事」でした。ベトナム人にとって、家族そろって食事をすることはとても重要なんです。昔からのベトナムの文化と言えるかもしれません。
山崎 それで今日の話題は、ベトナムの家族の食事なんですね。
ソン そうなんです。ハノイ市に住むグエン・トゥ・チャン( Nguyen Thu Trang) さんは、結婚して10年。以来、一日のうち少なくとも一度は家族そろって食事をするように心掛けているそうです。
山崎 チャンさん夫妻は共働きで、二人とも会社勤めです。2人の子供は学校へ通っているため、朝食か夕食だけが全員が集まって食事のできる時です。
ソン チャンさん一家にとって、一日のうち最も幸せな時間は家族そろって食卓を囲む時だといいます。チャンさんの話です。
(テープ)
「家族に美味しいご飯を作ることは、夫と子供に対する愛情に他なりません。これは女性の幸せでもあると思います。休みの日は、家族の好きな料理を作るのに時間を割いています。」
ソン ベトナム北部のナムディン省に住む女性( Nguyen Thuy Anh) は「現代社会では仕事が優先されて、家事のための時間が少なくなっている。が、それぞれが思いやりの気持ちを持てば、家族そろって食事をするのは決して難しいことではない」と話します。
(テープ)
「家族というのは、互いの食事に関心を持つべきです。一日一回は、全員で食事をする。一緒に食べるということは、一人ひとりの気持ちを分かち合うことです。幸せな家庭を作るためには、とても重要なことだと思います。」
ソン 今日のハノイ便りは、ベトナムの家族の食事についてお伝えしています。ここで一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
山崎 家族の健康と幸せのために、多くの女性が家族の食事に気を遣っています。
ソン ホーチミン市に住むある女性の話なんですが、仕事で忙しい中、毎日買い物をして自分で食事を用意しているそうです。そのためか、食事時はいつも楽しいということなんですね。
山崎 このかたのお子さんはまだ小さいそうで、ゆで卵が大好物だそうです。一方、ご主人は魚の酸っぱいスープが好きだそうで、家族それぞれの好みの物を作るということです。大変ですね。私にはできません(笑)。
ソン 社会学の専門家によりますと、家族一緒の食事は幸福感を得られる他、家族間の絆を深めることに重要な意味を持っているということです。
山崎 あわただしい中でも、全員で食事ができるよう時間をやりくりした方がいいようです。少しでも仕事や勉強などを優先させてしまうと、家族での食事はできなくなってしまうということです。
ソン 男性のコメントもご紹介しましょう。
山崎 はい。ハノイ市内に住むこの男性 ( Do Vu)は、「今の時代は三度の食事を家族そろってとるのは難しいかもしれないが、気にかけていれば一日一度は一緒に食べられるのでは」と話します。
(テープ)
「祖父母や両親、子供たちが集まって食事をするのは、ベトナムの伝統文化の一つだと思います。幸せな家族とは、食べ物を分かち合う意味を知っている人たちです。今時の若い夫婦も子供ができた後は、いつも食事を一緒にした方がいいですね。互いの関係が深まります。」
山崎 愛情あふれる家族の食事、がテーマだった今年のベトナムの家庭の日。家族一緒の食卓が当たり前だった昔の日本が思い出されました。
ソン 私も改めて、家族の食事を大切にしようと思いました。
山崎 そうですね。生活の基本かもしれません。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、ベトナムの家族の食事についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。