ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。先頃、北部クァンニン省で第18回ベトナム映画祭が開かれました。今年の映画祭は優秀な映画や映画制作者などを表彰するだけでなく、映画部門に携わっている人々はこの60年間のベトナム映画の発展の道のりを振り返るチャンスとなりましたね。
ホアイ そうですね。今日のこの時間はこの60年間のベトナム映画部門の発展をご紹介しましょうか、アンさん。
アン はい。そうしましょう。今からちょうど60年前の1953年に、ホーチミン主席はベトナム映画部門の設立に関する勅令に署名しました。これによりベトナムの映画部門が誕生しました。
ホアイ この60年、ベトナム映画部門は多くの試練と困難に直面しましたが、誇らしい多くの成功を収めましたね。
第18回ベトナム映画祭の開幕式
アン そうですね。1959年、ベトナム映画制作会社が設立され、そして、ベトナムで初めての映画も制作されました。その映画の名前は「一つの川を共有する」です。この映画はベトナム戦争中の制作ですから、テーマは戦争でしたね。
ホアイ そうですね。この映画は若い男女の愛を描く中で、ベトナム南北が分裂された痛みを表しています。その後、ベトナム映画制作会社は戦争をテーマとした一連の映画を制作し、観衆の好評を得ました。
アン その一例としてあげられるのは「アフー夫婦」、「トゥハウ姉さん」、「故郷への道」、「17度線の昼と夜」、「ハノイの少女」などです。この時期に、戦争をテーマとした映画の他、国の建設事業を反映する映画も制作されましたね。
ホアイ そうですね。1975年の戦争終結後、ベトナム映画部門は映画「無人の野」、「10月になれば」など有名な映画をこの世に送り出しました。「無人の野」は東京の岩波ホールでも上映されたし、「10月になれば」はNHK名画劇場でも放映されましたね。その中で、ダン・ニャット・ミン( Dang Nhat Minh) 監督の「10月になれば」という映画は2008年、アメリカのニュース専門放送局CNNが選定したアジア映画のオールタイムベストのリストに入りました。この映画制作に関して、ダン・ニャット・ミン監督は次のように語っています。
(テープ)
「当時、私たちは映画に対する熱い気持ちと国の運命に対する気持ちで映画を制作しました。愛国心以外に何の原動力もありませんでした。当時、私たちは戦争を忠実に反映するためどのように映画制作すればいいかということに全力を尽くしました」
映画「10月になれば」の女優レー・バン
ホアイ ダン・ニャット・ミン監督の話でした。では、この辺でちょっとティタイムにして歌をお聴きいただきましょう。
「ハノイの秋」(Ha Noi mua thu)をお送りしました。
アン 話を続けましょう。1986年に、ベトナムはドイモイ刷新政策を実施し始めましたが、この時期に、多くの有名な映画も制作されました。その一例として挙げられるのは「河の女」「退役将校」「ドンロクの三叉路」などですね。
ホアイ 特に、この時期に、ベトナムのドキュメンタリー映画も多くの成功を収めました。例えば、「グー・トゥイへ戻る」、「ミーライに響き渡るバイオリンの音色」などはアジア太平洋地域の映画祭で受賞しましたね。
アン そうですね。その後の1990年代に入ると、ベトナム映画は多くの困難に直面しました。映画の質があまり改善されませんでした。しかし、2003年には、レ・ホアン監督による「ダンシング・ガール」という映画が制作され、ベトナム映画部門に新風を吹き込みました。
ホアイ それまでにベトナム映画は戦争や戦争後遺症を描く作品がほとんどでしたが、近代社会の問題点が取り上げられたこの映画は若者の注目を受け、高収益を狙える“商業”作品をつくる新たな潮流を創り出しましたね。
アン そうですね。国際社会への参入を進めている中で、この10年、ベトナムでは多くも民間映画制作会社が設立されました。また、国外在留ベトナム人も母国で映画制作に携わり、ベトナムの映画部門に新風を吹き込みました。ベトナム映画祭で受賞したことがある女優ホン・アイン( Hong Anh) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム映画部門はこれまで60年間の歴史がありますが、私は16年間にわたり、ベトナム映画部門に携わったことを誇りに思っています。ベトナム女優の一人として、私はベトナム映画部門の発展を実感できます」
アン 女優のホンアイン、どうもありがとうございました。ベトナムの映画祭が初めて開かれたのは1970年のことでしたが、今まで、18回にわたり開催されました。映画祭は映画作品と俳優や映画制作者などを顕彰するチャンスであるだけでなく、映画制作者が職業に関する経験を交換するよいチャンスとなります。ベトナム映画局のゴ・フォン・ラン( Ngo Phuong Lan) 局長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムの映画部門に携わっている人々はベトナムの革命映画部門のこの60年間の発展の道のりを誇りに思っています。この60年、ベトナム映画部門は国と観衆と共に歩んでゆきました。しかし、過去を誇りに思うだけでなく、より重要なことは現在の映画の発展に力を入れるということです」
アン ベトナム映画局のゴ・フォン・ラン局長の話でした。先頃、北部ハロン市で開催された第18回ベトナム映画祭には44の映画制作会社から139作品の応募がありしました。これはベトナム映画部門の発展を示していますね。
ホアイ そうですね。では、おしまいに歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
「河と歌声」 ( Dong song va tieng hat) をお送りしました。
リスナーのみなさん。今日のこの時間は、ベトナム映画部門の発展についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。