ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。ベトナム中部にあるホイアン旧市街には中国人街を中心として、有名な日本橋や、寺院、中華会館、商家、民家などがたくさん残っており、 1999年に「ホイアンの古い町並み」として、ユネスコにより世界遺産として認定されましたね。
ホアイ そうですね。このようなホイアンには他に様々な伝統的文化が保存されています。その中にはこの旧市街にある古井戸を抜きにして語ることはできません。今日のこの時間はホイアン旧市街にある古井戸についてご紹介しましょうか、アンさん。
アン いいですね。現在、人々は水道水を使っていますから、井戸水を使うのは稀なことですが、ホイアンの人々の一部には井戸水を使う習慣が残っています。
ホアイ 特に、お茶を入れる時、井戸水を使うことが好まれています。ホイアン文化保存センターの幹部ボ・ホン・ベット( Vo Hong Viet) さんは次のように語りました。
(テープ)
「現在、ホイアン旧市街にはいくつもの井戸が残されています。いま、水道水が供給されていますが、ホイアンの人々は食品加工などによく、バレという井戸水を使っています。この井戸水は清潔で、食品を加工すると味が美味しくなります」
ホアイ ボ・ホン・ベットさんの話でした。では、ここでちょっとティータイムにして、歌をお聞きいただきましょう。
歌 :ミータムが歌った「我が村」をお送りしました。
話を続けましょう。ホイアン旧市街のお年寄りによりますと、バレ地区の井戸は8世紀から10世紀までの古代チャム族の時代に掘られました。ホイアン旧市街の住民は長く前から、陰暦の満月と新月の日に神様にお供えする食べ物を作る時や新生児の湯浴みにこの井戸水を利用してきました。
アン また、ホイアン名物の「カオラウ」という麺料理や黒ゴマのゼンザイを作る時、必ずこの井戸水を使わなければなりませんね。
ホアイ この井戸は千年にわたり使われてきましたが、水が切れたことはありません。先ほどのベットさんは次のように語りました。
(テープ)
「現在、ホイアンの市民はこのバレという井戸水を日常生活によく使っています。特に、この井戸水で調理すると、食べ物は独特な味があると言われています。」
ホアイ 現在、ホイアンには80もの古井戸があります。また、これらの井戸の水の水位は乾季でも高いです。
アン 一方、先ほどのベットさんによりますと、ホイアン旧市街の古井戸は丸型と四角型、および、上は丸く、下は四角という3種類があります。これらの井戸はレンガで作られ、セメントや漆喰などの接着剤はまったく使われていません。
ホアイ 特に、どの井戸の中でも丈夫な木材の枠で組まれています。この枠はレンガ敷きが崩れないように守るためのものです。現在、ホイアンに住むリュ・フンさんの自宅のすぐ前にリュ家代々の井戸が今も保存されています。リュ・フン( Luu Hung) さんは次のように語りました。
(テープ)
「昔、家系の祠堂を建設した時、この井戸を掘りました。この井戸の保存は先祖の遺跡を保存する意味です。この井戸の周りに組み立てた木材は今も昔のまま丈夫です」
ホアイ 特別なことはこれらの井戸には井戸の神を祭る祭壇があるということです。昔から、ホイアンの人々はそれぞれの井戸には神様が宿ると信じていたからです。先ほどのリュ・フンさんは次のように語りました。
(テープ)
「井戸を埋めると家族は不運に遭遇した場合があったから、ホイアンの人々は陰暦の満月と新月の日に、井戸の神様に供養を行います。昔の人々は井戸は家族に水を提供しますから、その神を祀るのです」
ホアイ このように昔から井戸はホイアン文化の欠かせない一部となってきましたね。では、おしまいに、歌をお聴き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
歌:ランアインが歌った「我が村」をお送りしました。
リスナーのみなさん。今日のこの時間はホイアン旧市街の古井戸についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。