中国の雲南省と接する西北部山岳地帯のライチャウ省は２０の少数民族の居住地で、美しい自然風景のほか、ユニークな伝統文化が息づいています。同省は省内の複数の少数民族の伝統文化の保存と観光開発の両立に取り組んでいます。

ライチャウ市

ライチャウ省の行政府は伝統文化を観光開発のための重要な資源と見なし、2021年～2025年期の各少数民族の伝統文化の保存と観光開発を両立させる計画案と2030年のビジョンを作成しました。この実現のため、ライチャウ省は伝統文化の価値の発揮により社会経済開発に寄与できるように全力を尽くしています。ライチャウ省文化スポーツ観光局のチャン・クアン・カン副局長は次のように語りました。

（テープ）

「2021年～2025年期、ライチャウ省にはコミュニティーベーズドツーリズムを営む集落が5か所あり、この中には、フォントゥ県のタイ族のバンフェオ集落、モン族のシンスオイホー集落、タムドゥン県のザオ族のシータウチャイ集落、ル族のホン集落などがあります。私たちは２０２５年にシンスオイホー集落がコミュニティーベーズドツーリズムでASEAN＝東南アジア諸国連合の代表になれるよう取り組んでいます。」

紫色のおこわ

そのほか、現在、ライチャウ省の文化遺産のうち、５つが国の文化財として認定されています。これらはタイ族の伝統舞踊ソエタイ、綱引き、ザオ族の男性の成人式であるトゥカイ儀式、モン族の厄払いのガウタオ祭り、ル族の手織物などです。

特に、タイ族の民謡ハットテンがユネスコ＝国連教育科学文化機関により、世界の無形文化遺産として認定されました。近年、ライチャウ省は伝統文化の維持、保存のため、伝統文化を教える教室を開いたり、各少数民族の伝統的祭りの復元、保存をしたりしてきました。フォントゥ県人民委員会のマイ・ティ・ホン・シム副委員長は次のように語りました。

（テープ）

「ムオンソー村で、毎年、ナンハンという祭りがあります。ナンハンとはタイ族の女性の将軍です。この祭りは旧暦２月１５日に開かれ、ナンハン将軍の偉業を偲ぶものですが、多くの民間遊戯が行われます。そのほか、毎年旧暦の３月１０日に、タイ族の祭りも開かれます。これはテンキンパン、つまり、水かけ祭りです。祭りでは民間遊戯のほか、文芸公演も行われます。これらの祭りは伝統文化の維持、保存だけでなく、観光開発にも繋がっています」

そのほか、ライチャウ省では手織物、刺繍、竹細工など多くの伝統工芸村があり、見事な美術手工芸品を出荷しています。また、飲食文化もライチャウ省の得意とするところです。ベトナム版ギネスブックはライチャウ省の紫色のおこわと炭火の焼き魚をベトナムの１００の郷土料理2021～2022年のリストに挙げました。フォントゥ県ムオンソー村バンフェオ集落でホームスティを経営している女性ロー・ティ・ヌンさんは次のように語りました。

（テープ）

「タイ族の飲食は非常に豊かです。例えば、炭火焼、石の虫や石に着生させるコケを食材に作られた料理です。私の集落を訪れる観光客はタイ族の民族料理を味わったり、タイ族の伝統舞踊ソエタイを体験したりすることができます。また、タイ族の人々は幸運と健康を祈り、大みそかに髪を洗う儀式を行います。観光客はこの儀式を体験することもできます。」

現在、ライチャウ省は観光商品のPRと西北部にある各地方の観光連携に力を入れています。また新たな観光ルートを開発するほか、観光への投資に優遇政策をとっています。ライチャウ省人民委員会のトン・タイン・ハイ副委員長は次のように語りました。

（テープ）

「現在、ライチャウ省は政府に対し、ライチャウ空港を建設するよう提案しています。そのほか、現在、天国の庭という娯楽複合施設建設プロジェクトの実施許可証を取り付けたほか、温泉の観光地、ゴルフ場の建設などを実施しています」

伝統文化の維持保存と観光開発に対するライチャウ省の取り組みにより、近い将来、ライチャウ省はベトナムの有名な観光スポットの一つとなることでしょう。