伝統的な高床式の合掌づくりの家

ハノイ便りの時間がやってまいりました。

ホアイ お元気ですか、みなさん。ホアイです。

フン こんにちは。フンです。早いもので、テト休みが明けて1週間になりますね。

ホアイ でも「アッ」という間ですね。テト後の最初のハノイ便りの時間となる今日はバナ族を始め、中部高原地帯テーグェン地方に住む各少数民族の伝統的な高床式の合掌づくりの家をご紹介しましょう。


伝統的な高床式の合掌づくりの家 - ảnh 1



フン はい。そうしましょう。中部高原地帯テーグェン地方はザライ族、バナ族、セダン族といった少数民族の人々の居住地です。これらの村の多くは高床式の合掌づくりの家がありますね。

ホアイ そうですね。この高床式の合掌づくりの家は村の長老が村人を集めて、村の重要な問題を相談する場所として使われています。また、村の伝統的儀式が行われる場所でもあります。

フン これは平野部にある各村の集会所とほぼ同じ役割を果たして今すね。

ホアイ そうですね。普段、バナ族の高床式の合掌づくりの家は村ができてから造られますね。

フン そうです。これは村の最も重要な仕事ですので、すべての村人は集会所の役割を持つこの合掌づくりの家の建設に参加しますね。

ホアイ そうです。村の長老、または、地形に精通している人は村を代表して、高床式の合掌づくりの家の建設用地として最もいい所を選びますね。

フン どんなところがいい所と言えるんですか?

ホアイ それは何といっても夏に涼しく、冬に暖かい高台の土地にあるということです。特に、この家は村の中心部にあり、遠い所からもこの家の屋根が見えるということが大切です。

フン 高床式の合掌づくりの家の建設は非常に手間(てま)がかかっています。建設期間はその家の規模にもよりますが、数ヶ月で完成するものもあれば、1年以上かかるものもありますね。

ホアイ そうですね。たとえば、コントゥム市ダクロワ村にある高床式の合掌づくりの家は高さ16メートル、幅5メートル、長さ14メートルで、その家の建設は1年かかりました。この村の長老であるアズユさんは次のように語っています。

(テープ)

「わが村の高床式の合掌づくりの家は2002年に完成しました。その時、村人の誰もが力を合わせました。みんなが(かや)や竹などを採りにいきました。私たちは30人、または、50人一組で仕事をしたのです。わが村の高床式の合掌づくりの家の建設は1年もかかりました。」

ホアイ 村の長老アズユさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。フンさん。

フン 「テーグェン地方の恋の歌」をどうぞ。

ホアイ では話を続けましょうか。フンさん。高床式の合掌づくりの家は村の伝統的な儀式を行ったり、村人が集まったりする場所であるだけでなく、村人の精神的な面においても重要な意義を持っています。コントゥム市コンソラム村の長老アニョンさんは次のように語りました。

(テープ)

「高床式の合掌づくりの家は長老と村人が集まって、村に関するすべての問題を解決する場所です。昔から、どの村でも高床式の合掌づくりの家がなければなりませんでした。小さい村は小さいなりの高床式の合掌づくりの家、大きい村はそれなりに大きいものを建設します」

ホアイ 時が経つにつれて、そして、都市化の波に押されて、バナ族を含め、中部に住む各少数民族の人々の伝統的な高床式の合掌づくりの家は徐々に古くなっていくようです。

フン そうですね。でも、地元の行政府と関連各機関は少数民族の人々に対する高床式の合掌づくりの家の重要性を認識した上で、それらの維持、保存のための措置を取ってきました。

ホアイ たとえば、コントゥム省の共産党委員会は伝統的な高床式の合掌づくりの家の復旧に関する決議を出しました。これにより、現在、コントゥム省にあるほとんどの高床式の合掌づくりの家は昔のままの姿を維持するだけでなく、立派に改修されていますね。

フン そうですね。ほかに、現在、コントゥム省に住むバナ族の各村は伝統的高床式の合掌づくりの家で毎日の月曜日に国旗の掲揚式を行っています。コントゥム省コンクロー村の長老アバインさんは次のように語りました。

(テープ)

「毎週月曜日、伝統的高床式の合掌づくりの家で行われる国旗の掲揚式で、私たちは村人に対し、先週の村の主なできごとと今週の計画を知らせます。村人はこの掲揚式の重要性を認識しているため、積極的に参加しています」

ホアイ コンクロー村の長老アバインさんの話でした。バナ族を含め、中部高原地帯テーグェン地方に住む各少数民族の伝統的高床式の合掌づくりの家は地元の文化伝統のひとつと言えますね。

フン そうですね。伝統的高床式の合掌づくりの家を保存、維持することはこれらの各少数民族の良き伝統文化を維持することを意味しますね。

ホアイ そうですね。では。おしまいに、歌をお聴き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。 

フン 「テーグェン地方の3月」をお送りしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間はバナ族を含めた中部高原地帯テーグェン地方に住む各少数民族の伝統的高床式の合掌づくりの家についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。

来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。


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