ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。ベトナム中部にある古都フェは百年にわたり存在した、ベトナムの最後の王朝であるグェン王朝の都が置かれたところです。フェ宮廷の料理は昔から古都フェの文化の一部となってきましたね。
ホアイ そうですね。今日のこの時間は古都フェの宮廷料理についてご紹介しましょうか?アンさん。
アン 興味深いテーマですね。フェの宮廷料理は食材の選択からその調理方法と盛り付け、食べ方まで優雅で繊細なものです。フェの宮廷料理はベトナム食文化の真髄を示すと言っても過言ではありません。フェの宮廷料理は調味料の調節から調理方法まで、すべてに秘訣があります。グェン王朝の宮廷料理の料理人であるトン・ヌ・ティ・ハ( Ton Nu Thi Ha) さんは次のように語りました。
(テープ)
「フェの宮廷料理には美味しい味を付けられるように、調味料を一度ではなく、幾度も入れなければなりません。たとえば、胡椒を加えることも5回に分けて行われます。一回目は煮る前、2回目は煮る途中に、3回目は水分が切れる頃、4回目は皿に乗せる時、5回目は食べる直前です」
ホ・ティ・ホアン・アインさん
アン フェの宮廷料理は口で食べるだけでなく、目と心で食べないと、その美味しさを十分に実感できません。フェの宮廷料理を味わいながら、フェの宮廷音楽であるニャーニャクを楽しむことは至福なのです。
ホアイ 古都フェ遺跡保存センターのファン・タイン・ハイ ( Phan Thanh Hai) センター長は次のように語りました。
(テープ)
「フェの宮廷料理の精神は繊細、エレガントでありながら煩雑というものではありません。これらの料理の食材はすべてベトナム産ですが、その食材の品質はいずれも最高のものです。これらの食材が、工夫の上に工夫され調理されました。これらの料理は栄養価も高く、かつ健康にも良いものなのです」
ホアイ ファン・タイン・ハイ センター長の話でした。では、この辺でちょっとティタイムにしましょう。
「 」 をお送りしました。
話を続けましょう。今年行われたフェ・フェスティバルでは、あやうく失われる瀬戸際に追い込まれたという、フェの6つの宮廷料理が復活しました。
アン これらはえびから作れたもので、酢で食べる料理、なまことえび、および、野菜との煮物;紅芋のもち;フェの鳥のサラダ;アヒルともち米から作られた料理、および、デザートとして、5つの色彩があるもち米の粉とスイカから作られたもちです。
紅芋のもち
ホアイ 今年のフェ・フェスティバルでは「宮廷の宴」というイベントが行われ、600人が参加しました。このイベントに紹介された料理は「フェの宮廷料理の大使」と呼ばれた料理人の、ホ・ティ・ホアン・アイン( Ho Thi Hoang Anh) さんが担当しました。
アン ホアン・アインさんはグェン王朝のカイディン王の食事を担当したホバンタさんの孫ですから、宮廷の宴に紹介された料理の作り方を理解しています。ホアン・アインさんによりますと、宮廷の宴に紹介されるすべてのものは、正しく選ばれなければなりません。食材だけでなく、食器もすべてが貴重なものです。王様の箸で翡翠から作られたものには箸の先に金が施しているものもあります。ホアン・アインさんは次のように語りました。
(テープ)
「今回復活された宮廷料理は形式だけでなく、その料理の美味しさも重視されました。これらの料理を作るための食材はすべて高級なものばかりです。私たちはベトナムで最も美味しいとされているフーコック島のなまこを買いました。また、私たちは北部クアンニン省に赴き、筋星虫を探した他、チュオンサ群島の貝を買いました。また、私たちはリーソン島のニンニク、フーコック島のコショウなどを使用しました。すべての食材は最高の品質のものです」
なまことえび
アン ホアン・アインさんの話でした。これらの高級料理を味わう時、人々はゆっくりと食べないと、その美味しさを十分に味わうことはできないでしょうね。
ホアイ そうですね。その「宮廷の宴」というイベントに参加したハノイの観光客グェン・フォン( Nguyen Phuong) さんはデザートの料理を味わった感想について、次のように語りました。
(テープ)
「このもちの味は格別です。もちが工夫されて作られた他、食材も高級なものですから、特別な味がしました。また、そのもちを作った料理人のエレガントさにも感じ入りました」
ホアイ グエン・フォンさんの話でした。現在、古都フェ遺跡保存センターでは、より多くのフェの宮廷料理の復旧に取り組んでいると同時に、国内外の観光客に対して、これらの宮廷料理のPRを行っていますね。
アン そうですね。私もいつか、フェの宮廷料理を味わってみたいと思います。では、おしまいに歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
「歌」をお送りしました。
リスナーのみなさん。今日のこの時間はフェの宮廷料理についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。