『農村へ書籍を』プロジェクトの実施に取り組んでいるグェン・クアン・タクさん



ハノイ便りの時間がやってまいりました

ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。

アン こんにちは、アンです。今日のこの時間は長年にわたり、『農村へ書籍を』というプロジェクトの実施に取り組んでいるグェン・クアン・タクさんについてご紹介しましょうか?

ホアイ はい、いいですね。まず、始めにタクさんの自己紹介をお聴きいただきましょう。

(テープ)

「私は質素な生活を送っています。お酒も飲まず、タバコも吸いません。食事はコムビンザン(Com binh dan)と呼ばれる庶民的なベトナム食堂で済ませます。ハノイに家を借りていますが、ほとんどの時間は農村部の友人の家で暮らしています」

ホアイ タクさんの生活はシンプルですね。

アン そうですね。物質的なものにあまりとらわれないタクさんのような人は今日の社会ではちょっと珍しいですね。

ホアイ そうですね。彼の全ての夢は書籍に関連するものです。タクさんの話です。

(テープ)

「22歳になって、図書館の設計モデルを研究し始めました。10年後、このモデルを現実に移しました。2007年、私は一族の本棚の設定に、2010年、父兄の本棚の設定に、2012年、キリスト教信者の多い地域の本棚の設定に乗り出しました。私の目的は人々が供給し、人々が管理し、人々自らがサービスする図書館の系統を建設するということです」

『農村へ書籍を』プロジェクトの実施に取り組んでいるグェン・クアン・タクさん - ảnh 1
グェン・クアン・タクさん


ホアイ タクさんの話でした。中部ハ・ティン省フォン・ソン県にある貧しい村で生まれたタクさんの両親は教師ですから、小さい頃から、たくさんの本を読んでいました。18歳になったタクさんは800冊もの本を読んでいました。そして、彼は『農村に書籍を』というプロジェクトの構想が浮かびました。タクさんは次のように語りました。

(テープ)

「生活における目標を設置するならば、その目標の遂行を堅持します。『農村部に書籍を』プロジェクトの目標は知的水準を高め、国に持続可能な発展に原動力を創り出すということです。これは国が日増しに発展してゆくために、私と多くの人々に限りない力を与えます。」

ホアイ このように語ったタクさんは「『農村部に書籍を』プロジェクトを実施するのは自分の夢を実現できるだけでなく、先祖の意向を実現させる狙いもある」と明かにし、次のように語りました。

(テープ)

「私の祖父と兄弟は1945年の革命以前に、自宅の土地を売り、その金額で学校を建てました。これは私がこのプロジェクトに乗り出すキッカケとなり、力となりました。私のお父さんも20年にわたり、数学を教えました。その理由で、このプロジェクトの実施に励んできました。これを断るなんて全く考えたこともありません」

ホアイ タクさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにして、歌をお楽しみいただきましょう。

『農村へ書籍を』プロジェクトの実施に取り組んでいるグェン・クアン・タクさん - ảnh 2


アン 
「青年よ進もう」をお送りしました。 話を続けましょう。タクさんは農村部に住む人々はまだ経済的に多くの困難をかかえているため、読書などにあまり関心を持たない実情を理解しました。それで、彼は農村部に本棚を設置することにしましたね。

ホアイ そうです。でも、農村部に本を浸透させるためにどうすればよいかということはタクさんにとって、難題となりました。彼は自分の貯金を使って、多くの地方を回りました。

アン 意外のことにその難題の解決は共同墓地からヒントをもらいました。農村部にある村の共同墓地を見た時、タクさんはベトナム農村部に住む人々にとって、墓地は一族が固まり、とても大事なことを発見したのですね。

ホアイ それ以来、タクさんは一族の本棚へ投資することにしました。彼は「一族の本棚をつくるのは効果がある」と信じています。タクさんの話です。

(テープ)

「私は最初に、自分のお金で一族の本棚をつくりました。その後、故郷を離れて暮らしている農村部の人々などを始め、社会全体の支援金で11の本棚を設置しました。一族の本棚の設置に成功した私は父兄の本棚やカトリック教信者が多く住む地域に本棚を設置しました」

ホアイ タクさんの話でした。タクさんの行いをきっかけに、社会全体が読書に関心を寄せはじめました。タクさんの話です。

(テープ)

「今、北部タイビン省では学生が自分が読んだ本の説明会を毎週開いています。これは人民の創意工夫によるものです。私は枠組みを作るだけで、具体的な構想は一般の人々から学ばなければなりません。」

『農村へ書籍を』プロジェクトの実施に取り組んでいるグェン・クアン・タクさん - ảnh 3

ホアイ タクさんは農村部の子供やお年寄りなどが熱心に本を読む様子を見て、嬉しく思っています。それは、読書の意義を理解する人々が増えているからですね。タクさんの話です。

(テープ)

「今、故郷に本を置くために、5千万ドンを投じる人がいます。また、一族の本棚を設置するために、3千万ドンを投じる人もいます。」

ホアイ 多くの人々はタクさんの行いに共鳴した上で、彼の活動を支援するようになりました。その中には出版社の支援もあります。

アン タイハ書籍会社のチャン・フォン・タオ副社長は次のように語りました。

(テープ)

「農村部に書籍を」プロジェクトはかなり多くの成果を収めました。タクさんは自分の利益を忘れて、社会のために全力を尽くしています。本当に、熱心な人です」

アン タオさんの話でした。タクさんはバイクで全国各地を回り、各地方の教育局に教室の本棚、父兄の本棚設置の構想を紹介する予定がありますね。

ホアイ そうですね。その他、タクさんは「ベトナム農村の書籍のため」というメッセージを掲げて、自転車で、世界一周するという夢もあるそうですよ。

アン すごいですね。タクさんのこの夢が実現することを心から願っています。

では、ここで歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

ホアイ 「手をつなぎ、輪を作ろう」をお送りしました。今日のこの時間は「農村部に書籍を」というプロジェクトの実施に取り組んでいたグェン・クアン・タクさんについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。           

Chao cac ban。

 

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