(VOVWORLD) -凧あげの伝統を持つ家庭に生まれたキエムさんは、幼い頃から、凧作りに夢中になりました。
笛凧作りの職人キエムさん |
首都ハノイ郊外ダンフォン県バ・ズオン・ノイ村は凧作りの村として広く知られています。バ・ズオン・ノイ村の凧は弱い風でもよく揚がるように、かなり巧妙に造られています。そんな凧が出来上がったのは、凧作りのベテラン職人の手先の器用さによるものです。その中でも優秀職人グエン・ヒュウ・キエムさんがいます。
凧あげの伝統を持つ家庭に生まれたキエムさんは、幼い頃から、凧作りに夢中になりました。彼は、2005年に、ベトナム民間文芸協会から、『民間職人』という称号を授与されています。また、2015年に、国家主席から『優秀職人』の称号を授与されました。キエムさんに話を聞いてみました。
(テープ)
「私は2004年に、凧揚げクラブを設立しました。当初のメンバーは15人でしたが、現在は、30人を超えました。これまでに、私たちは、国家規模のイベントを祝う凧揚げ、また、ベトナムで開催される国際凧揚げ大会などに参加しましたよ。凧揚げを国家に無形文化遺産として早く認めてもらえるように、凧揚げ文化遺産保存センターを設立しました。」
バ・ズオン・ノイ村では、キエムさんは、一番優れた凧作りの職人であると言われています。村人にとって彼は、凧揚げについて最も詳しい人となっています。バ・ズオン・ノイ村遺跡管理委員会のファン・バン・ハー委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「キエムさんは、村の伝統的職業の保存に大きな功労がある職人です。彼は、若い世代に凧の作り方を積極的に伝えています。その他、彼は、国内と外国で開催される凧揚げ大会にもよく参加しましたよ。」
キエムさんが外国で行われた凧揚げ大会に参加したお陰で、バ・ズオン・ノイ村を初めとするベトナムの凧は世界の凧愛好者から知られるようになりました。キエムさんは次のように語りました。
(テープ)
「私は、多くの国で開催される凧大会に参加したことがありますが、それぞれの国は、独特な凧を持っています。ベトナムは、バ・ズオン・ノイ村の笛凧、つまり、風を受けると音のする凧が独特なものですよ。以前、フランスで10日間も開催され、また、50カ国の代表が参加する世界最大規模の凧フェスティバルで、ベトナムのこの笛凧は実行委員会から高評されました。凧の上に付けられた笛の数は、かつて、1本か、2本でしたが、今では、7本、あるいは12本も上っています。でも、2本の笛が付いた凧は、おもしろい音を出すようです。」
凧作り職人のキエムさんは、今年70歳ですが、いつも故郷の笛凧の保存と発展に専念しています。