フーさん

   ポ・ロ・フーさんは北部山間部ライチャウ省ムオンテ県で生まれ育ちました。元々生活困窮者であったフーさんは、困難な状態から脱出するという決意を固めて、畜産や栽培に励み、経済発展を遂げてきました。それだけでなく、彼は、村民に悪い習慣の撤廃を働きかけたほか、村民とともに歩んで、困難な状態を乗り越えました。

フーさんの話によりますと、幼いころ、彼の家族は、生業にともない常に移動しながら生活していたため、いつも生活に困窮していました。フーさんは次のように語っています。               

（テープ）

「小さいころ、祖父母、続いて両親が早くに亡くなり、兄弟たちはあちこちに暮らしていたため、お互い助け合うことは出来ませんでした。当時、常に移動して生活を営んでいたため、いつも食糧不足の状態にありました。一定の場所に住むようになってから、経済の発展に励み、貧困な状態を乗り越えて、安定した生活が送れるようになっています」

フーさんは、チャケ集落党委員会委員長兼村長として、自分の家庭と土地の経済発展のために、畜産や栽培の知見を身につけるため、あちこちを見てまわりました。現在、フーさん一家は、数百頭に上る牛、水牛の群れ、魚、鶏、ヤギといった畜産場、朝鮮人参や、シナモン、ソウカ（草果）などの薬草畑をもっています。

フーさんはまた次のように語っています。                   

（テープ）

「ベトナム共産党に入党したことにより、さらに多くのことを知るようになりました。そして、身につけた知識を村民に伝えます。党委員会委員長でもあり、村民のお手本としての役割を果たさなければなりません。村民の生活改善のために、村民に経済発展を働きかけながら、畜産、栽培の方法を教えました」

フーさんは、5人の労働者を常時雇用しているほか、30人余りの季節労働者を雇っています。それだけでなく、彼は、食糧不足の家庭に籾、おコメなどを無料で提供しました。さらに、畜産、栽培を行いたい貧しい家庭に無利子でお金を貸したり、知見を共有しました。

フーさんから支援を受けた村民の一人は次のように語っています。

（テープ）

「フーさんの支援を受けたお陰で、長年にわたる苦しい生活から脱出することができました。ですので、子どもたちも、毎日、学校に休まず登校しています。我が家だけでなく、村にある多くの家庭もフーさんから支援を受けて、生活は以前より楽になっていますよ」

地元の貧困解消事業に大きな功労があったフーさんについて、ムオンテ県パウ村党委員会のファム・ホン・ビン副委員長は次のように明らかにしました。

（テープ）

「山間部における住民の生活と発展基準はいまだ低いレベルにとどまっています。こうした状況において、フーさんのようなお手本は必要不可欠な存在です。フーさんは少数民族の出身者であり、村民から信頼されています。彼は、地元における経済発展に励むお手本となっています」

パウ村は、以前、貧困世帯が全世帯の95％に上り、ライチャウ省における最も貧しい地方として知られていました。しかし、貧困解消に先駆けたフーさんのような党員の取り組みにより、世帯の貧困率は77％程度にまで低下しました。経済発展、特に、現地住民の生活改善に貢献してきたフーさんのようなお手本はさらに拡大することでしょう。