中国の新しい地図は、南シナ海独占陰謀を暴露している
中国の新しい地図
先ごろ、中国は、縦長の地図を発行したことで、ベトナム東部海域、いわゆる南シナ海の拡張意欲をさらに示しました。その中で、中国は「10段線」からなる境界線が南シナ海の大部分を取り囲んでいることをあからさまに公表し、南シナ海全域の領有権を一方的に主張している中国の行動が国際共同体に暴露されました。
中国湖南省地図出版社が、去る6月25日に発行した新しい地図の中で、中国はベトナムのホアンサ、チュオンサ両群島、フィリピンのルソン島、パラワン島、スカボロー礁、マレーシア、ブルネイ、及びインドのアルナチャル・プラデシュ州までを含む「10段線」の色を濃くしたことで、南シナ海での領有権をあからさまに公表しました。他国の幾つかの島を自国のものにすることを一歩的に容認しただけでなく、中国は「南シナ海が中国の領土だという立場を変えることなく、今回の地図発行はこれを大衆に知らせるための目的である」と発表しました。さらに、この地図は中国の学校で使用される予定です。
南シナ海の領有権に関する自国民への誤った認識を定着させる為、他国の領土を自分のものとして、従来の地図を変更した中国の行動は、国際共同体に対して、中国の南シナ海の領有権独占の陰謀として暴露されました。
域内の各国と地域は、中国の新たな地図に対し、「無理のある拡張主義」であり、中国が合意している国際法と1982年の国連海洋法条約に逆行していると強く反発しました。この地図は、根拠のない絵に過ぎないので、無価値であると指摘されています。アメリカからは「中国は対立と紛争の解決へ向けた、外交と平和措置を無視している」と指摘されました。インドからは、新地図の発行は中国の「領土拡張、領海の拡張」の陰謀に過ぎないと非難されました。
新地図の中で、チベットの一部にされているインド北東部のアルナチャル・プラデシュ州は、インドから欠くべからざるインドの一部であると強調されており、1962年以来の両国間による国境戦争後にインドの実効支配となっているのです。
各国のマスメディアも中国の新地図の発行に反発しています。アメリカの6月27日のワシントンポストは「中国の新しい地図は近隣諸国の『想像を超えた』。嘲笑すべきことにはこの地図はインドのアルナチャル・プラデシュ州を取り囲んでいることである」と指摘しました。一方、先ごろ、フランスの新聞ル・モンド紙は「中国が南シナ海において不条理な条件を適用する」をタイトルにした新聞記者Brice Pedrolettiさんの原稿を掲載し、その中で「海洋大国になるという中国の野心は『中華の夢』を現実にする為、習近平主席の任期中の『主要な任務の一つである』。非現実的な夢を実現する為、中国は国際法を無視して、あらゆる手段や陰謀を利用し軍事力を行使して、小国を侵略し、自らの要求を強制した」と分析しました。他方、イギリスのロイター通信は「この新たな一歩が、アジア地域諸国は平和を望んでいるという中国の構想であるとはとても信頼できない」と伝えました。フランスの6月26日付の新聞『ラ・クロワ』は研究者の発言を引用した際「中国は南シナ海と東シナ海における覇権の野心を利用して、国内での不安な情勢を隠蔽している」と伝えました。
中国の近隣諸国と地域外諸国が反対の声を出しただけでなく、中国国内の世論もこの地図の発行に反対しています。中国のグローバル評論家Wu Geさんはウェブサイト『Weibo』の中で「中国と同様の行動をとると、アメリカ、イギリス、あるいは外国の領土を所有したい、いかなる国は一枚の地図を描くだけで済む。中国の新しい地図はあいまいな愛国心を示しているに過ぎない」と指摘しました。
これまでに、中国は、いわゆる『九段線』の、根拠の無い由来に対する終始一貫しない態度を示してきました。実際、中国でさえも『U字線』を合理的にする説明が出来ませんでした。『九段線』、あるいは『U字線』はどのように描かれているか、現在までにこれを詳細に記述している資料はありません。中国のマスメディア、歴史研究者、法律家、政治家、地理研究者、それぞれが異なる説明を述べ、さらにそれらはお互いに矛盾していました。さらに、中国史上、『九段線』は『十一段線』に自製されたことがありました。
無理な要求を実現するため、一貫性のない行動により、中国は国際共同体の前に自国の評判を悪化させています。全ての群島を故意に自分の国にしようとする中国の行動は包み隠し無い「野心的な拡張」を暴露しています。世界の識者によりますと、九段線、十断線、あるいは十一段線は中国内部の問題の解決を助けるだけであって、国際的にはなんら価値の無いものです。というのは、中国はどんなに主張したとしても、その九段線あるいは十断線の合理性に関する判決を下せるのは国際裁判所のみということです。