夕暮れになるとランタンの灯りで照らされた幻想的な雰囲気に包まれるホイアン旧市街は外国人観光客の人気スポットです。そして、夜になると旧市街に足を運ぶ観光客は民謡と一体となって遊ぶバイチョイというこの地の伝統ゲームを路上で見られます。
現場の音
毎晩、ホイアン旧市街を流れるホアイ川沿いには路上遊びのバイチョイが行われます。この町の市民だけでなく、この町に足を運ぶ観光客の注目を集めています。
なお、バイチョイについてもう少し説明を加えます。元々、バイというのはゲームで、チョイというのは畑小屋(ハタケゴヤ)という意味があります。バイチョイというのはそれぞれの小屋にいる人々が互いにゲームをやるという意味があります。実際に、バイチョイにはそれぞれ名前の違うコマが30個と10種類の木札があります。1つの札にコマの名前が3つずつ書かれていて、参加者は木札を1つ選び、親になった人が舞台の上に吊るされた竹札を順番に見てゆきます。
その際、親は竹札に書かれたコマの名前に関連する民謡を歌います。参加者はそれを聴き、自分の木札にコマの名前があれば声をあげ、金のコマをもらいます。木札に書かれたコマの名前が3つとも出揃ったひとが勝ちとなります。
バイチョイの遊びはホイアン旧市街の満月の晩の祭りの一環として、元々ホイアン旧市街の文化スポーツセンターの主催により行われてきましたが、その後、この遊びはホイアン旧市街の欠かせない文化活動の一つとなりました。同センターのボ・フン( Vo Hung) センター長は次のように語りました。
(テープ)
「現在、ホイアン旧市街に披露されているバイチョイと「鍋打ち」という2つの遊びは観光客の人気を得ています。特に、長年にわたり、バイチョイという芸術の復活に取り組んできましたが、なかなか成功しませんでした。しかし、1998年に、満月祭りを実施した前に、このバイチョイに参加したのは地元の市民だけでしたが、そのあと、観光客もこのバイチョイに参加したため、観光客の注目を得ました」
ホイアン旧市街の文化スポーツセンターに勤めている職人のルオン・ダンさんは「ホイアン旧市街の市民だれもが、バイチョイをやることができる」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ホイアン旧市街の文化生活にバイチョイは欠かせませんよ。小さい頃から、祖母がバイチョイで歌われる歌を歌ってくれましたから、これらの歌が少しずつ心に染み渡るんです」
現場の音
バイチョイで流れる民謡は故郷のへの恋、父母の愛、夫婦愛、道徳感、社会弊害の批判、時代遅れの風習などがうたわれ、誰にでも分かり、教育性が高いものです。バイチョイは単に娯楽であるだけでなく、この地方の独特の民謡を披露する場でもあります。バイチョイは現在、地元の住民だけでなく、この町に足を運ぶ観光客も参加しています。
現場の音