北部山岳地帯にあるソンラ省モクチャウ町から１０キロほど離れている所にはザイ・イエム( Dai yem) 、別名：ナン(Nang) 、あるいは、バンバット( Ban Vat) などと呼ばれている滝があります。この美しい滝にはいくつかの面白い伝説があります。

現場の音

高さ100メートル以上から落ちてくるこの滝は白い泡がたっています。滝の周りには木々が茂っていて、壮大な風景を作り出しています。この滝はザイ・イエムという名が付けられますが、これはある伝説から生まれた名前です。

イエムとはベトナム語で、四角形胸当て、つまり、女性の伝統的なブラジャーです。ザイ(dai) とはその紐で、4本の紐を肩と脇を通し、背中で結ぶ、ザイ・イエムとはブラジャーの紐という意味です。この滝がザイ・イエムと呼ばれる理由は昔、ここである女性が自分のブラジャーの紐を使って、滝に流されおぼれた男性を救い出したため、ザイ・イエムという名が付けられたのです。カイン・シン旅行会社のファム・ミン・チェン( Pham Minh Chien) さんは次のように語っています。

（テープ）

「なぜ、この滝がザイ・イエムと呼ばれるようになったかはいくつかの説があります。雨季になると、この滝の水の流れがベトナム女性の伝統的なブラジャー、イエムの紐を織るための糸のように見えるためとか、また、他の伝説もあります。それは昔、ある女性がこの滝に行った時、危険に追い込まれている男性を発見し、あわてて自分のブラジャーの紐を使って、その男性を救い出したというものです。」

滝の頂きから、周辺の風景を一望できます。滝の麓には広い谷川があります。この滝が2本の支流に分かれますが、支流の距離はおよそ50メートルです。第1の滝の面積はおよそ4000平方メートルで、2番目の滝は3000平方メートルです。ザイイェム滝が最も美しくなるのは毎年4月から10月までの雨が多い季節です。ハノイからの観光客ブ・タイン・コン( Vu Thanh Cong) さんは次のように語りました。

（テープ）

「ここには四季がありますが、滝には雨季と乾季があります。今は雨季なので、水量が多くて、白い泡が立っています。乾季には滝の流れが糸のように柔かい美しさを持っています」

現場の音

雨季に見られる滝の強い美しさを好む人が居れば、乾季に見られるある滝の美しさに興味を示す人もいます。先ほどのハノイからの観光客ブ・タイン・コン( Vu Thanh Cong) さんはさらに次のように語りました。

（テープ）

「乾季にこの滝を訪れるのが好きです。その時、見事な写真が撮れるからです。水の流れは糸のように柔かくなります。」

時間がありましたら、ベトナム北西部にある手付かずの美しさを持つこのザイイエム滝に行ってみてください。