(VOVWORLD) -蜂蜜を採取する職業は、南部最南端カマウ省のウミンハの森で暮らす住民の伝統職業となっています。この職業は国の遺産として認定されています。現在、多くの若者は、この職業の維持に励む一方、創意工夫を凝らして、採蜜の職業を開発しています。
タイさん |
ウミン県カイントアン村に住むファム・ズイ・タイさんは今年21歳という若さで、6年間の採蜜の経験があります。彼は、地元の特産品や、日常生活などの動画配信を専門とするユーチューブチャンネルを持っています。動画では、主に、蜂蜜採取の様子を紹介しており、フォロワーは1万2000人を超えています。
タイさんによりますと、この職業を始めた当時は、1ヵ月に約20リットルしか採蜜できず、量を販売できませんでした。そこで、ウミンハの森の蜂蜜、特に、ミツバチの巣や、採蜜の方法、 蜜枠の取り出し方法などをユーチューブに投稿することにしました。そのお陰で、蜂蜜の販売は着実に成長しています。それから、タイさんは蜂蜜をオンラインで販売することにしました。
タイさんは次のように語りました。
(テープ)
「私はユーチューブチャンネルを作成することが好きです。蜂蜜を採取しに行くとき、私はいつも頭にカメラをつけて、ライブ配信をします。その度に、クリップの最後に私の電話番号を記載します。蜂蜜を買いたいお客さんは私に連絡することができますから」
今では採蜜時期にタイさんは毎月およそ100リットルの蜂蜜を採取しますが、それでもお客さんの注文に十分に応えられません。そのため、住民に委託した約200リットルを買って、お客さんに販売します。特に、タイさんは、蜂蜜の採取を容易にするため、煙を放出する機器を製造しました。巣箱にたっぷり煙をかけると、蜜蜂たちが驚いて中から出てきました。そうすることで人が近づいても攻撃することがなくなるからです。
以前、従来型の松明を使っていた時には、松明を火元とする火災がよく発生しました。そこで、2019年に、タイさんは、電子回路、モーターなどで専用のスモークマシンを製造しました。
タイさんは次のように語りました。
(テープ)
「この機器に付いている容器に乾燥したバナナの葉を入れて燃やしてから、ファンのスイッチをオンにすると、約3〜4メートルの煙が放出されます。風が強くなければ、煙は5メートルまで放出されることができますよ。こうした機器は、灰が外に全く落ちないので、森林火災に対応できます」
タイさんが製造した煙の放出機器は、扇風機の羽がアルミ缶で作られ、乾燥した椰子の葉、バナナの葉を発煙剤に活用するものです。この機器は、充電器を使用し、大量の煙を遠方まで送ること、特に、灰が外部に落ちないので森林火災の予防に繋がります。この機器を購入しようと思う多くの人がタイさんに問い合わせしましたが、彼は販売せず、ユーチューブチャンネル上で、煙の放出機器の製造方法を些細に教えるだけです。あるいは、一部の人だけに煙の放出機器を作成しています。
この機器を使用した現地住民の一人は次のように評価しています。
(テープ)
「この煙の放出機器の利点は、燃焼する材料が少ないことです。煙が大量に放出されると、蜜蜂の攻撃性が低くなります。最も重要なのは、森林火災予防対策になるということです。使い方も簡単です。発煙剤を燃やして、スイッチを押すだけで、ファンが煙を噴出します」
オンラインで大量の蜂蜜を販売したり、煙の放出機器を製造したりするタイさんは、ウミンハの森の特産物のPRに貢献することでしょう。