北部カオバン(Caobang)省カオバン町からフク・セン(PhucSen)村にあるタ・ルン(TaLung)検問所に至るまでの国道3号線上の村落10の村のうち6つの村落が鍛冶業に従事しています。これらの村落では、毎日金属をハンマー等で叩く音で賑わっています。
(現地の音)
フク・セン村の製品はナイフ、ハサミ、農具などで省内と周辺地域で昔から愛用されています。特に、農繁期になると、売れ行きが早いです。鍛冶工場の主のノン・ルユ・リエンさんは次のように語りました。
(テープ)
「農繁期には、注文が一番多いですよ。よそからの買い物客もよく来ています。注文製品は主に刃物です。」
このように語ったリエンさんは「フク・セン村のような鋭くて丈夫な刃物がある所はないと」いつも誇りに思っています。デザインと種類が豊富で多様ではありませんが、フク・セン村で製造された農具は商標となっています。バクカン省から来た注文客の一人であるブ・ディン・チンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「私は2009年から、よく注文しに来ます。主に、ナイフ、ハンマー、農具を買って、全国各地で販売します。これらの製品の質的は消費者から高く評価されています。」
一方、鍛冶工場の主であるノン・バン・トさんは「平野部に住むキン族の普通の鍛造方法では、ナイフは握りの部分が先に、その次に刃の部分を作る。しかし、現地のヌン族の鍛造方法は、逆です。刃の部分が基準に満たすまでに握りの部分を造る」と明らかにしました。というのは、刃の形は直すことが出来ますが、鋭さは一度しか鍛造できないからです。
鍛冶屋を上手く進めるためには、健康な職人で、耳と目の鋭い感覚が必要だといわれています。トさんは次のように語りました。
(テープ)
「私が従事している鍛冶は先祖代々から伝わるものです。普通の人なら、刃物が良いものかどうかも知りません。長年にわたって鍛冶に従事している私は刃物を見るだけで分かります。加熱された刃物の表面が虹色に見えたら、それは良い鉄の刃です。この鉄で出来た刃は、磨きやすく、丈夫です。」
現在、フク・セン村は鍛冶製品の商標をピーアールし始めています。鍛冶工場の主のロン・チエンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「幾人かの村人が鍛冶製品のピーアールを行なってきました。そのため、私たちの製品が全国各地で知られるようになりました。数年前まで、売れ行きが悪かったが、現在はとても良くなってきましたよ。」
このように語ったチエンさんは、鍛冶製品が消費者から愛用されるためには、製品の質を絶え間なく高めることだと明らかにしました。