(VOVWORLD) -今年の5月16日から6月16日まで、イスラム教を信仰するベトナム南部在住の少数民族チャム族は、ラマダン月に入っています。
チャム族のイスラム教徒 |
イスラム教徒にとって、ラマダンは「聖なる月」となっています。この月において、ムスリムは日の出前から日没にかけて、15歳以上の成人男女は、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えてる人や平等への共感を育むことを重視するそうです。また共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感が強まり、多くの寄付や施しが行われます。また、断食中は、飲食を断つだけでなく、喧嘩や悪口や闘争など忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強めるということです。
ドンナイ(DongNai)省スアンロック(XuanLoc)県スアンフン(XuanHung)村4号村落にあるエーサン(Ehsan)モスク管理者の話です。
(テープ)
「ラマダン月に入る前に、現地住民は、砂糖、コメ、お酢、塩などを買っておきました。」
以前、4号村落は、スアンフン村における特別に困難な状況にあった場所でしたが、国家から複数の優遇政策を受けると共に、行政当局のやり方を変更させたお陰で、現地のチャム族の物心両面の生活が日増しに改善されるようになりました。
エーサン・モスクのモハマード・アミン導師は「現在、かつての木製の高床式の家は大きな健全な建物に代わり、村の道路もコンクリート化されてきた。この地には2200人が住んでいるが、殆どの生産年齢人口は安定した仕事に就いている。その結果、チャム族の生活は日々向上し、今年のラマダン月は以前と比べると周到に準備されるようになった。」と明らかにしました。
(テープ)
「毎年のラマダン月になると、省から、県、村に至るまでの各レベル行政当局の代表らは、イスラム教徒の元を訪れ、プレゼントなどを手渡します。現地の行政当局はチャム族の信仰活動によく配慮しています。」
一方、7千人のチャム族が住んでいるホーチミン市祖国戦線委員会は、ホーチミン市イスラム共同体とイスラム教礼拝堂管理委員会、チャム族の貧しい家庭の元を訪れ、プレゼントを手渡しました。チャム族の貧困者の一人の話です。
(テープ)
「ラマダン月を迎えるにあたり、現地行政府の代表は、私のような恵まれない人々に対し色々な支援を行ってくれとても嬉しく思っています。」
他方、ホーチミン市イスラム共同体の代表の話です。
(テープ)
「この数年間、ホーチミン市の行政当局は、チャム族の人々に対し多くの優遇政策を実現しています。例えば、貧困者向けの融資調達や、医療保険カードの発行、住宅建設、あるいは、貧しい生徒への授業料を無料にすることなどです。これらは、チャム族の人々にとって有意義なことですね。」
なお、ベトナムには、現在8万人のイスラム教徒がいます。その中で、チャム族の人口は85%を占めています。また、イスラム教礼拝堂はおよそ100箇所あり、主に、南部各省に集中しています。