ナーユ(Na U)村の光景(写真: Hoàng Điệp)
北部デェン・ビェン(DienBien)省デェン・ビェン県ナーユ(Na U)村では、多くの子供が衣食が不足している状態で暮しています。ですから子供たちの学習状況はさらに困難となっています。しかし、ナーユ村小学校の教師らは生徒たちへの教育にさらに努力しています。
全国各地の学校と同じように、村の中心地にあるナーユ小学校も9月5日に始業式を行いました。新しい制服を着用した少数民族モン族の生徒たちを見ただけでは、その中に困難な状況にある多くの生徒が含まれているということを知る人は少ないでしょう。
ハ・ティ・シアちゃんは小学校5年生ですが、同級生と比らべ身体が小さくて、痩せています。シアちゃんの家庭は貧しい過ぎる為、平日は寮生活を送り、週末だけに実家に戻ります。現在、ナーユ小学校はまるでシアちゃんの第二の家となっています。シアちゃんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「学校で、私は外国語と情報工学を勉強する事が出来るし、多くの友達もいるので、とても楽しいです。先生らは私をまるで自分の子供のようにみています。私も、先生がたを親のように尊敬しています。」
始業式は、生徒全員が参加できるように、教師たちはそれぞれの生徒の家に出向いて働きかけました。というのは、現地のモン族の人々は文字教育をまだ重視していないからです。さらに、7~8歳になる子供は親の代わりに、妹や弟の面倒を見たり、農作業をしたりするからです。ですから、教師たちは早朝、生徒の家に迎えに行き登校し、授業が終わったら、また生徒の家まで送ることが普通になっています。特に、寮生活に送っている生徒の場合、教師たちは文字を教えるだけでなく、歯磨きや顔の洗い、洗濯の仕方などを教えます。
寮生活に送っている生徒たち(写真: Hoàng Điệp)
女性教師グェン・ティ・ダオさんは次のように語りました。
(テープ)
「最初、寮に入る生徒たちは何も出来ませんでした。私たちは彼らに手洗いや頭の洗い方など身の回りのことを教えなければなりませんでした。小学校2~3年生の生徒は、教えられればあとは自分でやります。4年生と5年生になる頃にまでは自分自身でやります。」
ところで、現在、ナーユ小学校は13の教室とおよそ240人の生徒がいます。教室はかなり広くて、机や椅子、学習設備などが十分整備されています。しかし、現地の生徒に文字を教える事は容易なことではありません。モン族ではない教師はモン族の言語を勉強しなければなりません。その他、教師たちは、夏休みと休日にも共通語のベトナム語の授業を行なう時もあります。
ナーユ小学校のブ・ゴク・クアン校長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「私たちは、それぞれ生徒の生活実態を把握しています。その上で、それぞれの生徒を手助けする教師を配置したり、恵まれない生徒に衣類を買ってあげたりします。」
ナーユ小学校の殆どの生徒たちは将来、教師や医師になりたいという夢を抱いています。教師たちは、これらの夢を現実化させるために、生徒たちの教育にさらに取り組んでいます。