(VOVWORLD) -ハノイ市は、文化の「ソフトパワー」を首都圏の持続可能な開発推進力へシフトするように尽力しています。
2022年、ベトナムの首都ハノイは、全国各地に先駆けて、「2021年~2025年期、および2045年を見据えた2030年までの首都圏の文化産業開発」決議を発布しました。決議は、首都圏の文化産業を包括的に開発し、文化産業を首都圏の重要な産業にするという目標を設定しています。ハノイ市は、文化の「ソフトパワー」を首都圏の持続可能な開発推進力へシフトするように尽力しています。
ホアンキエム湖周辺での竜の踊り |
ハノイ市党委員会のグエン・バン・フォン副委員長は、首都ハノイは面積では世界各国の首都の中で17位に立っていますが、1000年以上の歴史を誇る数少ない首都でもあり、豊かな文化に恵まれていると明らかにし、次のように語っています。
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「ハノイ市は、首都圏の迅速かつ持続可能な開発には、文化開発と品格のある文明的なハノイ市民の育成を真に重要なリソースとしてみなしています。これは新しい考え方です」
首都圏の文化産業開発に関する決議は、2025年までに、首都圏の文化産業が重要な産業になり、社会経済開発、ハノイ市ならではの特色ある質の高い多様な文化産業製品の生産の推進に繋がるという目標を掲げています。
ハノイの旧市街での民謡「チャウバン」( Minh Đức/TTXVN撮影) |
国会文化教育委員会のブイ・ホアイ・ソン委員は次のように語っています
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「この決議は、首都圏の文化と市民の開発を具体化させる一歩であり、首都圏のみならず、全国の開発事業に貢献します。首都ハノイ文化の真髄はベトナム文化の誇りでもあることから、ハノイの文化と市民の価値を保護、発揮する必要があります」
首都圏の文化産業開発に関する決議を実現するために、ハノイ市の関連機関は、産業遺産や、中古住宅、中古別荘、都市遺産、記憶遺産から新しい文化遺産へのシフト、伝統職業村と美術手工芸品の開発、文化産業の奨励とそのPRに関する政策を作成しています。
また、ハノイ市は、創造力向上を目指して、育成コースの開設、または外国人専門家との連携などを通して、潜在力とメリットのある都市部や伝統職業村などにおける文化産業市場の開発に注力します。同時に、国内外においてハノイの文化産業をPRするための質の高い商品やサービスのブランド作り、観光と投資誘致活動などを行う方針です。
タンロン遺産保存センターのグエン・タン・クアンセンター長は次のように語っています。
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「私たちは、タンロン城王宮遺跡の見学活動でベトナムのテト、中秋節、端午の節句などの無形文化を取り上げ、来場客に紹介しています。このことは、観光客の誘致に役立っています」
現在、ハノイには300余りの伝統職業村、およそ6000箇所の文化遺跡のほか数多くの無形文化遺産があります。これらは、持続可能な文化産業開発の推進に繋がる大きな潜在力を秘めています。