(VOVWORLD) - フン王を偲ぶ儀式は、ベトナムの国家と民族の基礎を築くために尽力した18人のフン王の功績を称える行事で、「国民の命日」とも呼ばれています。
ベトナム人にとって、毎年旧暦3月10日のベトナム建国の祖フン王の命日、およびフン神社祭りは、ベトナム人の精神生活の特徴であり、民族の文化的アイデンティティと価値観が結集するものとなっています。その中の具体的な表現は、ユネスコ=国連教育科学文化機関によって人類の無形文化遺産として認定されたフン王を祀る信仰や、ベトナム風のチマキ「バインチュン」と「バインゼイ」を作る習慣、北部フート省の民謡「ハットソアン」などが含まれています。
神輿行列=TTXVN
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フン王を偲ぶ儀式は、ベトナムの国家と民族の基礎を築くために尽力した18人のフン王の功績を称える行事で、「国民の命日」とも呼ばれています。フート省歴史科学協会のグエン・ティエン・コイ会長は次のように述べています。
(テープ)
「フン王を祀る信仰は、フン王に対するベトナム国民の感謝の気持ちから生まれました。このため、人々は昔からフン王を崇拝し、この信仰を次世代に伝えられるように、ビエットチ市ヒークオン村ギアリン山にフン王を祀る神社を建立しました。これは、『水を飲むとき、その井戸を掘った人の恩を思う』という良き伝統を示すことです」
フン王を祀る信仰は国内だけでなく、国外在留ベトナム人コミュニティにも広がっており、これを通じて、民族の文化的アイデンティティが維持・保存・発揮されています。
国会文化教育委員会の常任委員であるブイ・ホアイ・ソン准教授 |
国会文化教育委員会の常任委員であるブイ・ホアイ・ソン准教授は次のように強調しています。
(テープ)
「変わらないものは一つあります。それは、フン王を祀る信仰が常にすべてのベトナム人の心にあるということです。この信仰は、国内外で団結力と愛国心を生み出します。私たちは多くの国でフン王の命日を記念する式典を行い、これを通じて、国外在留ベトナム人は母国ベトナムとフン王を祀る信仰に思いを馳せることができるようになります」
(現場の音)
毎年、フン神社歴史遺跡地区で開催されるフン神社祭りでは、ベトナム風のチマキ「バインチュン」と「バインゼイ」の手作りコンテストが行われています。このイベントでは、フート省の職人たちが集まり、昔から伝わるコンテストを再現し、民族の伝統文化の価値を称賛しています。「バインチュン」の四角形は大地を、「バインゼイ」の丸い形は天を表し、もち米や、緑豆、豚肉などから作られるこれらの料理は、神聖な供え物として祖先に捧げられ、ベトナム人の美意識を示しています。
フン神社歴史遺跡地区管理委員会のファム・ティ・ホアン・オアン委員長は次のように述べています。
(テープ)
「毎年のフン神社祭りで行われる『バインチュン』と『バインゼイ』の手作りコンテストは、『水を飲むとき、その井戸を掘った人の恩を思う』というベトナム人の良き伝統を示しています。同時に、これはフン王時代の文化活動を再現する行事でもあります。『バインチュン』の四角形と『バインゼイ』の丸い形は、円満と発展へのベトナム人の願いを表しています」
(現場の音)
民謡ソアンの歌を歌う=baophapluat.vn |
フン神社祭りの期間中、ライレン廟や、テット集会所、フンロー集会所、アンタイ集会所などフート省の宗教施設では、ソアン村の村人たちが2000年の歴史を持つ民謡ソアンの歌を披露します。この民謡は、フート省の住民の独特な文化遺産であり、フン王を祀る信仰に関連する多くの文化的価値を持っています。
村の集会所の歌「ハットクアディン」とも呼ばれるハットソアンを国内外の観光客に幅広く紹介するために、フン神社祭りの組織委員会は、「人類の無形文化遺産」として認定されたハットソアンとフン王を祀る信仰に関する展示会や、省内の観光地でのハットソアンの披露会など、多くの特別プログラムを展開しています。
フン王の命日を通じて表現される文化的価値観は、ベトナム人のユニークなアイデンティティであり、そのアイデンティティは次世代にもわたって存続し、世界の文化の流れの中でベトナムの文化的価値観を位置づけることに貢献するとしています。