フート省のフン王信仰が世界遺産

先日、フランスのパリにあるユネスコ本部で、第7回無形文化遺産委員会の会合が行われました。そこで、ベトナム北部フート省のフン王をまつる信仰が、無形文化遺産として正式に認定されました。

フート省のフン王信仰が世界遺産 - ảnh 1

これによって、現在、ベトナムで、無形・有形合わせて世界遺産として登録されているのは14件になりました。ユネスコによりますと、フン王信仰は、祖先に対する尊敬と民族の誇りを示すもので、コミュニティの結束につながっているということです。世界遺産にも認定されたことで、この信仰の保存がベトナムとフート省に強く求められています。これについて、ベトナム国家ユネスコ委員会のファム・カオ・フォン事務局長は次のように語りました。

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「フート省のフン王信仰が世界無形文化遺産として正式に認定されたことは喜ばしいニュースですが、その信仰の価値を高める必要があります。ベトナムが国際社会へ積極的な参加を進める中、その遺産は国の発展に寄与すべきであると思います。ベトナム国家ユネスコ

委員会はこの遺産の保存のため、国際的な組織の技術や財政面での支援を呼びかけています。この保存活動は、次の世代にも遺産の

価値を高め、それを伝えることを目的としています。」

現在、フート省は、フン王信仰を保存するためのプランを作成しています。これについて、フート省人民委員会のハ・ケ・サン(Ha Ke San)副委員長は次のように話しました。

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「まず、この遺産の価値をベトナム国内の人々や海外の在留ベトナム人、それに外国人に紹介するためのピーアール活動を強化します。当面は、来年のフン王の命日に行われる祭礼にスポットをあてて、

この祭りに、より多くの人が訪れるよう、様々な企画を考えています。」

また、ベトナム文化芸術院のグェン・チ・ベン院長は「遺産の価値を高めるため、その保存にコミュニティの参加は極めて重要だ」と述べ、次のように話しました。

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「無形文化遺産に関して、ユネスコは、その遺産の価値をどのように高め、伝えられるかということに注目しています。この場合、自治体などのコミュニティは、無形文化遺産の主体にならなければならないのです。」

フート省のフン王信仰が世界遺産 - ảnh 2

さらに、ベトナム遺産協会遺産研究センター長のレ・ティ・ミン・リさんは「重要なことは、遺産についての若者や各年齢層の認識を向上させることである」とし、次のように語りました。

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「伝統的儀式を理解していない若者との対話を多く行うことが大切だと思います。その意義を、日常生活の一部となっている先祖を偲ぶ儀式と結び付ける必要があります。民族の習慣と家庭の伝統はつながっているのです。」

フート省のフン王を偲ぶ信仰は、ベトナム民族独自の文化を表すものです。世界遺産として、この信仰を国内外の人々にピーアールできることは、ベトナムの文化を国際社会に紹介するまたとない機会となることでしょう。

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