戦後の地雷・不発弾の処理
今月4日は「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」でした。これに合わせて、ベトナムの声放送局は「平穏な暮らしを目指して~地雷・不発弾による被害克服」と題した交流会を行いました。戦後の地雷と不発弾による被害の克服へ向けて、ベトナム国内外の個人、団体、国際組織の活動が取り上げられました。
ベトナムにおける戦争は終結しましたが、甚大な被害を及ぼしました。
現時点で、国土のおよそ21%に相当するおよそ660万㌶が地雷と不発弾の危険にさらされています。1975年~2000年までの地雷・不発弾と爆発物による死者はおよそ4万人で、負傷者と身体に障害を持った人の数はおよそ6万人に上り、そのうちの多くは子供と家族の主たる生計者でした。地雷と不発弾の未処理は経済社会の発展や安全保障、秩序、環境、人命と生活に多大な影響をもたらしています。
交流会で上映されたドキュメンタリー映画には、ベトナムにおける戦後の地雷・不発弾被害による後遺症や、その除去に従事する工作部隊の努力が描かれていました。
工作部隊司令部のグェン・スアン・トゥン大佐は次のように話しました。
(テープ)
「地雷・不発弾の除去作業は危険で困難を伴う任務です。戦争終結当時の1975年から、工作部隊はこの作業に参加し、数万ヘクタールのエリアで残っている地雷不発弾を完全に処理しました。その後の数年間で、かつての軍事基地、倉庫、国境地帯など極めて危険な地域で地雷・不発弾の
除去作業を続けました。」
中部のビンディン省は、戦時中、最も激しい交戦があった場所と言われています。今なお、この地域には、大量の地雷と不発弾が残っています。
ビンディン省で、除去作業を行ったチャン・クアン・ラプ中佐は、次のように話しました。(テープ) lap
「私達は2年間にわたり、150ヘクタールの面積の、およそ20万トンの様々な地雷や不発弾を処理しました。現在、この地域は、経済的にも発展し、住民が平穏な生活を送れるようになったことは、とても幸せなことだと思います。」
戦争後の地雷・不発弾による被害克服担当の国家指導委員会は、地雷と不発弾除去に関する住民の知識を高めるだけでなく、被害者とその家族を支援しています。
委員長を務める労働傷病軍人社会事業省のブイ・ホン・リン次官は次のように話しました。
(テープ)
「労働傷病軍人社会事業省は、教育養成省、情報通信省と連携して、地雷や不発弾の危険性についてPR活動を行いました。これは、青少年の知識の向上につながると思います。」
地雷と不発弾による被害を最小限に押さえるため、国際組織の支援も重要な役割を果たしています。
アメリカの非政府組織ピース・ツリーズ・ベトナムは、中部のクアンチ省における地雷・不発弾の除去で活躍しています。ピース・ツリーズ・ベトナムのブ・バン・アン代表は、次のように話しました。
(テープ)
「私たちは、1995年から17年間、クアンチ省で活動しています。これまでに、戦争被害の克服へ向けた幾つかのプログラムやプロジェクトを実施してきました。特に、地雷や不発弾、爆発物の探査、収集、処理に携わるグループを設けて、地雷の被害者を支援するプログラムを行いました。その他、現地で、幼稚園や図書館を建設し、貧しい女性と地雷被害者を対象に融資を行うプログラムを実施しています。」
各省庁や地方などの努力や、国際組織の協力と支援によって、ベトナムにおける戦後の地雷・不発弾の処理は、多くの成果を収めてきました。これらが、地雷・不発弾地域の住民に、平穏と安堵の日々をもたらしています。