民謡「ハットスァン」の多くの喉自慢大会
ベトナム北部フート省はベトナム建国の祖フン王神社が置かれている場所であり、有名な民謡「ハットスァン」の発祥地でもあります。2011年11月24日にユネスコ国際連合教育科学文化機関は民謡「ハットスァン」を世界無形文化遺産として認定しました。
今年、旧暦3月10日にあたる4月28日はベトナム建国の祖フン王の命日です。これを機に、民謡「ハットスァン」の多くの喉自慢大会が開かれます。世界無形文化遺産の価値を十分に認識したフート省の指導部は民謡「ハットスァン」を幅広く紹介する様々な活動を行なってきました。特に、祖フン王遺跡群で、民謡「ハットスァン.フェスティバル」が行なわれ、フート省の各民謡クラブが参加します。また、フート省の省都、ビェッチ町では少年、児童を対象にこの民謡を歌う祭りが行われます。これらの活動を通じて、フート省はユネスコにより認定された世界文化遺産としての民謡「ハットスァン」保存作業に全力をあげて取り組んでいます。フート省人民委員会のハケソン委員長は次のように語りました
(テープ)
「わが省は民謡「ハットスァン」ののベテラン歌手62人を育成し、101の民謡クラブを開設しました。そのほか、青少年を対象の民謡クラブも多いです。これらの活動はここ数年行なわれたこの民謡保存を目指す取り組みの中の一つです。我々はこの民謡を緊急保存すべき世界文化遺産リストから除外するよう期待しています」
この4年間、作曲家ダンホァンロンさんは民謡「ハットスァン」保存活動の担当者として活躍しています。ダンホァンロン氏は次のように語りました
(テープ)Loan
「フート省では多くの「ハットスァン」クラブが設置されました。同省の住民は毎週、これらのクラブに参加して、民謡を歌ったり聞いたりしています。芸術は観衆がいない限り滅びでしょう。民謡「ハットスァン」を聴く人が増えるのは極めて重要です。」
フート省では民謡「ハットスァン」のベテラン歌手は民謡クラブで、青少年に教えるだけでなく、多くの村で、この民謡演奏会や民謡保存会もよく開かれます。先ほどの作曲家、ダンホァンロンは次のように語りました。
(テープ)
「フート省人民委員会と文化スポーツ局は民謡「ハットスァン」の保存作業に尽力しています。とり急ぎ、我々はこの民謡の発祥地である「ミェライレン」と呼ばれる遺跡を改修しました。この遺跡はベトナム建国の祖フン王が住民にこの民謡を教えた場所です。この遺跡改修作業は昔の芸術の演出空間を再現させるため、行なわれました。」
この4年間、フート省の指導部と住民は故郷の伝統的な民謡を保存するため、全力をあげて取り組んできました。この民謡は同省の住民にとって生活に欠かせない一部となっています。ベトナム音楽学院のグェンビンディン準教授は次のように語りました。
(テープ)
「これまでに、民謡「ハットスァン」の宝庫の中にある主要な歌が楽譜に記載されています。フート省にはこの民謡にまつわる多くの資料が残っています。この民謡のベテラン歌手の数も増えています。フォート省の指導部と関連各機関はこの民謡を保存するため、この民謡に関する資料を収集したり、民謡を学校で教えたり、民謡クラブや民謡フェスティバルを開いたりしました。」
フート省の指導部は2016年から2020年まで、この民謡の保存作業と観光発展を両立させるという計画を立ています。 毎年、旧暦の3月10日、ベトナム建国の祖フン王を祭る祭が開かれるとともに、この民謡フェスティバルも行なわれます。更に、この民謡は国内外のテレビ、ラジオ、新聞、電子新聞で幅広くに紹介されるほか、国際音楽交流会などでも披露されることでしょう。