エデ族の人生儀礼

エデ族は輪廻転生の考えを持つことから、人生の通過儀礼は様々です。これらの儀礼は神と祖先に存在と発展を告げるため、行われるものです。

エデ族は祖先崇拝をしません。死んだ人がいる家族では、1年間から3年間の間、大規模な儀式の一つである「ボーマ」(bo ma)という儀式、つまり告別儀式が行われます。国家遺産評議会のゴー・ドク・ティン教授は次のように語りました。

(テープ)

「エデ族の考えでは、ボーマの儀式が催されない限り、死んだ人の魂が成仏できないとしています。ですから、毎日、家族はお墓に赴き、死んだ人を食べさせます。棺に置かれた上向きの竹筒を通して、死んだ人にご飯を食べさせながら、話しています。死んだ人の魂が親族の周りを漂っていると思われるからです。この儀式が行うことで、生きている人と死んだ人との繋がりが断ち切れることになります。」

ボーマという儀式を行うためにはおコメやお酒など、お供え物を準備しなければなりません。また、儀式のおよそ1ヶ月前から、手彫りの像やお墓の飾りつけを行います。家族は死んだ人のために美しい墓を建てるため、墓に木製や水牛の角などで作った像を飾ります。また、死んだ人に動物や品々を捧げたり、芸能を演じたりして奉納することもあります。さきほどのゴー・ドク・ティン教授は次のように明らかにしました。

(テープ)

「死んだ人に家の財産を割り当てます。例えば、死んだ人にお酒の瓶を捧げますが、瓶の底に穴をあけます。エデ族はこの世と別世界は逆なので、そうしなければならないと思われています。」

ボーマが済むと、死んだ人は別の存在として生まれ変わるとしています。そいう意味で、ボーマは葬儀であるのに、祭りとして開催されます。また、これは死んだ人に対する家族とコミュニティの責任を示すチャンスと見なされています。この儀式が早く行われれば行われるほど、死んだ人が早く輪廻転生が図られると思われています。

エデ族の人生儀礼 - ảnh 1

写真:www.vista.net.vn

他方、新生児の名前をつける命名の儀式も盛大に行われます。さきほどのティン教授は「赤ちゃんが生まれてから3日後、名づけ儀式が行われる」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「エデ族の観念によりますと、死んだ人はつゆの形に生まれ変わります。そのため、葉の上の露を避けて、これを死んだ人の魂と思っています。命名式には、露のついた葉が赤ちゃんの前に置かれます。ご先祖は自分の子孫に転生するとしています。」

命名式にはお酒、鶏、グアバの葉、銅のカップがお供えとして捧げられます。男の赤ちゃんならば、針と彫刻刀、ナイフが用意されます。命名式の後、赤ちゃんに鶏のレバーを食べさせ、グアバの葉の上にたまった露を飲ませると、赤ちゃんが成長してから勇敢な人になると期待されています。一方、成人式も重要視されている儀式の一つです。ベトナム民族学博物館のリュ・フン副館長は次のように語りました。

(テープ)

「エデ族の一生には様々な通過儀礼があります。儀式を行う度、その人の地位、威信が一段と高まります。成人式は自らの運命を祈る儀式としています。村人全員が成人式に招待されます。」

ボーマの儀式や名前をつける儀式などはエデ族の重要な儀式です。これらはエデ族の生活と文化に欠かせないものとしています。

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