エデ族の伝統的な長屋



家は低い高床式で、木材や竹などが使用され、屋根は草()きです。また、屋根の骨組みはほとんどが数メートルの木の幹で手で形作られます。遠くから見れば家は船の形をしています。

ベトナム民族学博物館副館長を務めるグエン・ズイ・ティエウ博士は次のように説明してくれました。

(テープ)

「家の長さは家主の経済力で決まります。かつて、非常に長い家がありました。一家の第3、4世代の娘が結婚した時、家が建増しされました。私が入手した資料によりますとフランス植民地時代には200メートルに及ぶ長屋があったそうですよ。」

エデ族の伝統的な長屋 - ảnh 1
エデ族の伝統的な長屋

長屋は2つに分けられ、正門から奥の面積3分の一をガフ(Gah)と呼びます。これは接客室であり、神を祀るところでもあり、未婚男性用の部屋があります。また、貴重品が置かれる場所でもあります。残りの部分がオク(Ok)と呼ばれます。ガフとオクの2部分は2本の柱で区別されます。

ベトナム民族学博物館・屋外展示室のダム・ティ・ホップさんは同博物館に建てられたエデ族の伝統的な長屋を紹介し、次のように語りました。

(テープ)

「これは金持ちの家族の家です。その富は接客室に置かれる調度品に示されます。接客室は一家の行事が開催される場所です。近所の人々も招待されます。ですから、接客室はエデ族のコミュニティ性を表しています。ここに酒瓶や銅のシンバル、鍋が並べられます。これらの品々の数は家族の豊かさを示します。」

長屋には像や魚、蟹の形が彫刻され、家主の裕福さを表しています。さきほどのベトナム民族学博物館・屋外展示室のホップさんは次のように話しました。

(テープ)

「象を飼う家族のみが象の模様を彫刻できます。そのほか、竜、蟹、亀、トカゲの模様もあり、エデ族の信仰に現す動物です。幸運を願うとして、屋根の骨組みの幹にトカゲの模様が刻まれます。」

このように話したホップさんは長屋に階段は2つあり、家の焦点となっていると明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「エデ族の長屋に2つの階段があり、前方と後方にあります。前方の階段は北方に向かって、メインの階段です。金持ちの家族にはメインの階段が男階段と女階段の2つに分けられます。女階段に女性の乳房や半円形の月が刻まれますが、男階段には特に模様がありません。」

長屋はただの住居であるだけではなく、幾つもの世代の人を結び付けるものでもあります。また、長屋は家族全員が集まることろであり、エデ族の伝統儀式や風俗習慣が受け継がれる場であるとしています。

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