エデ族の銅鑼、そして継承

中部高原地帯テイグエン地方一帯には季節風が強く吹き、梅や桃の花が満開になると、祭りのシーズンがやって来ます。祭りは年末から年の始めにかけて行われ、銅鑼とシンバルの音色が村中に響き渡ます。エデ族にとって銅鑼は神聖なものです。ダクラク省、クロンアナ県、チャップ村に住むエデ族の祭りにみられる特筆すべき点は銅鑼の演奏者が皆、女性であるということです。

エデ族の銅鑼、そして継承 - ảnh 1

同町に住んでいるアズオン・ニヨさんは70歳を超えましたが、人生の3分の2以上を村の銅鑼演奏グループに参加してきました。彼女にとって銅鑼の鳴らし方を理解することは持って生まれた才能のようです。10歳の頃からアズオン・ニヨさんは母親に銅鑼の鳴らし方を教わってきたことから、銅鑼の演奏がよく分かるようになりました。また、彼女は銅鑼とともに鳴らされるホゴ太鼓が大好きです。銅鑼のセットは6個で、母、父、子供二人ずつ、3グループに分かれます。6個の銅鑼はホゴ太鼓と合わせ演奏され、異なる和音が響きます。また、この和音は天や祖先、家族に向けて女性の気持ちを伝えるとしています。アズオン・ニヨさんは次のように話しました。

(テープ)

「小さい頃から母親に銅鑼の鳴らし方を教わりました。エデ族の独特な文化を誇りだと思っています。ホゴ太鼓は銅鑼の演奏において重要な役割を果たしています。というのは6個の銅鑼のリズミカルな演奏をリードするからです。また、銅鑼の音色と太鼓の和音は人の心をとりこにするメロディーを作り出します。今、年を取っていますが、まだまだ演奏を続け、また、子や孫たちに教えることがきでるよう、健在であることを祈ってやみません。」

エデ族の銅鑼、そして継承 - ảnh 2


また、ホロム・ホモクさんは18歳ですが、銅鑼を始めてから10年 あまり経ちました。彼女は村の少女舞踊グループに参加したことをきっかけに銅鑼の鳴らし方を学び始めたと語りました。いつから、銅鑼と太鼓の音色が馴染み になるのか気にしませんでした。ホロム・ホモクさんは様々な銅鑼をうまく演奏することができ、よく国内各地を演奏して回っています。ホロムさんは次の ように語りました。

(テープ)

「鳴らし方を習い始めた時、とても難しいと感じました。その頃、私はまだ小さかったのです。何回もやめようと思いましたが、民族色を保存しなければ・・・と思って、頑張りました。また、銅鑼の演奏ができるようになるとそのメロディーが美しいと感じられます。」

日を追って、銅鑼のメロディーに心を奪われる若い女性が増えています。ホミ・ホモクさんは銅鑼の音色に隠されている美しさを発見してから、民族のこの独特な文化を国内各地に披露したいと表明し、次のように語りました。

(テープ)

「より多くの銅鑼のメロディーを、より難しいメロディーを覚えたいと思います。また、いろんな所に行って、民族文化を紹介できることを望んでいます。そうすれば、多くの人が我が民族の文化を知ることができるし、若者たちは民族文化を愛するようになってゆくことでしょう。」

チャップ村の銅鑼演奏グループの団長を務めるホリュ・ホモックさんは稲の収穫を祝う祭りはエデ族の最も独特で、重要な行事であると明らかにしました。この祭りに演奏される銅鑼のメロディーも独特なもので、継承の責任を訴えます。エデ族の考えでは、年を取った人は子孫に畑仕事や稲の神を崇拝する責任を引き渡す必要があるとしています。

現在、チャップ村では何世代もの住民が銅鑼の演奏をします。祭りが行われる時、お年よりも銅鑼の演奏に参加します。また、演奏に励んでいる若者の情熱が心に響いてきます。エデ族の民族文化は若い世代に受け継がれています。 

 

 

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