(VOVWORLD) - 高齢者の健康を祝う儀式は祖父母への子孫の親孝行を示すものであり、高齢者を尊敬する文化の現われでもあります。
ベトナム中部高原地帯テイグエン地方に居住している少数民族エデ族は豊かな文化で知られています。その文化は様々な儀式や祭り、行事で保存されており、その中で、高齢者の健康を祝う儀式は祖父母への子孫の親孝行を示すものであり、高齢者を尊敬する文化の現われでもあります。
(テープ:現場のドラの音)
テイグエン地方にあるダクラク省ブオンマートート市アコドホン村の集会所から、エデ族の最も重要な楽器「ドラ」の音が流れています。これは、村の高齢者の健康を祝う儀式の始まりを告げるものです。
儀式で踊っている女性たち |
今回祝われる高齢者は76歳から84歳までの6人で、エデ族の伝統的な民族衣装を着て集会所の最も際立った所に座っています。この儀式は8つの活動を含んでいて、それぞれの活動の始まりを告げるのがドラの音です。儀式の司会役は儀式のスタートを宣言した後、「団らんのために帰ろう」という曲がドラの演奏者に披露されます。また、エデ族の民族衣装を着る若い女性たちはドラのメロディーに合わせて踊りをします。その後、これらの高齢者の子や孫たちは、銅の腕輪などを高齢者にプレゼントします。次の活動は、大きさに基づいて並んでいる地酒の壺12個からお酒を大きさの順番に取り出し、高齢者と参加者がそのお酒を楽しみます。そして、民謡の披露や、民間遊戯などが行われます。
高齢者の健康を祝う儀式はエデ族の豊かな文化を支える最も重要な儀式の一つで、現地行政府はこの儀式の保存を支援する方針です。今回祝われた高齢者の一人ホル・アルルさん(81歳)は次のように話しました。
(テープ)
「高齢者の健康を祝う儀式は子孫が親孝行を示すためのものですが、今回は国の関心を受け、市の指導者らに来てもらい、お祝いの言葉を頂きました。アコドホン村の人々は全員、年齢を問わず喜んで儀式を楽しみました。」
地酒を楽しんでいる高齢者たち |
一方、村の若者はこの儀式を通じて祖父母の世話に感謝するだけでなく、エデ族の伝統文化も実感することができます。ホズ・ニ・ニエさんは次のように話しました。
(テープ)
「今日は、おばあさんの健康を祝う儀式に参加することができてうれしく思っています。おばあさんが儀式を楽しんだことを見て感動しました。これからも、おばあさんは健在で、子孫と一緒に生活を楽しもうということを祈っています。」
かつて、高齢者の健康を祝う儀式はそれぞれの家族で行われましたが、今年は現地行政府の支援により、初めて村の共同儀式が行われました。アコドホン村の村長イ・ブラ・エバンさんは次のように話しました。
(テープ)
「かつてはそれぞれの家族が儀式を行いましたが、村の高齢者全員を集めて健康を祝う儀式を行うのは今回が初めてです。このやり方は楽しいですよ。これからも、このような儀式を共同で行いたいと思います。」
かつて、高齢者の健康を祝う儀式は3日間にわたって行われることが一般的でしたが、現在は村人の負担を軽減するために、1日だけとなっています。しかし、儀式のほとんどの活動あ保たれ、その伝統の美しさは今も昔と変わりません。