(VOVWORLD) - カオラン族の女性の民族衣装は、蝶々のように美しくなりたいというカオラン族の女性の願望の表れです。
ベトナム東北部に居住している少数民族カオラン族は、サンチあるいはサンチャイ族などとも呼ばれています。2009年の国勢調査によりますと、その人口は約17万人で、大部分はトゥエンクアン省、タイグエン省、バクザン省などに住んでいます。カオラン族は今もなお、多くの伝統的風俗習慣を守っていますが、その中で、特に女性の民族衣装は大切にされています。
民族衣装を着用しているカオラン族の女性たち |
カオラン族の女性の民族衣装は、「プ・ザン・ジン」(Pu dan dinh)と呼ばれています。それはカオラン族の言葉で、「蝶々の衣服」という意味で、蝶々のように美しくなりたいというカオラン族の女性の願望の表れです。カオラン族の女性の民族衣装について、バクザン省博物館に勤務しているグエン・ティ・マイ・タインさんは次のように話しています。
(テープ)
「カオラン族の女性の民族衣装は、「プ・ザン・ジン」と呼ばれるドレス、「ソンジム」というブラウス、ズボン、そして、頭にかぶるスカーフを含みます。これらのベースとなる色は茶色ですが、派手な色で飾られています。」
スカーフは長さ2メートル、幅40センチの茶色の布で、長い髪を後ろにたばねてまるまげを結った髪を覆います。
ドレス「プ・ザン・ジン」はひざの下まであり、その袖はちょっと太めです。「プ・ザン・ジン」の特徴は、ひざまである衣服のすそ部分に白い四角い布がついていることと、胸の部分に白い四角い布と黒い四角い布がついていることです。黒い四角い布には、カオラン族ならではの刺繍が施されます。この刺繍は、女性が自分で施すものであり、その女性の器用さを示すものでもあります。バクザン省ラクナム県ケーゲー村に住むカオラン族の一人チャック・ティ・ゴンさんは次のように話しました。
(テープ)
「刺繍をするのは最も時間がかかります。花模様を刺繍するだけでも6日もかかりますよ。昔から伝わる模様をちゃんと刺繍しなければなりません。これらの模様は花や木、鳥など様々ですが、昔と変わらないようにしなければなりません。全ては自分の手でしなければなりません。」
ドレス「プ・ザン・ジン」はボタンがないので、赤のリボンと青のリボンの2本で結びます。長くて派手なこの2本はドレス「プ・ザン・ジン」をより目立たせます。一方、ブラウスは白か赤だけで、地味な美しさです。バクザン省博物館に勤務している先ほどグエン・ティ・マイ・タインさんは次のように話しました。
(テープ)
「カオラン族の習慣では、女性は結婚するとき、ブラウスを着なければなりません。もし着てない人は再婚した人とみられます。そのため、新婚女性ならば、ブラウスは欠かせないものです。」
民族衣装は今もなお、村の行事でよく着用されていますが、伝統文化を守る措置として民族衣装を自分で作って毎日着ているカオラン族の女性もいます。