ザオカウ グループの「成人」カプサク(Cap sac)とは?

ザオカウ グループの「成人」カプサク(Cap sac)とは? - ảnh 1

ベトナムの各民族の多様な文化の中でザオ族に属するザオカウ グループのカプサク(Cap sac)儀式は独特な文化として知られています。ザオカウ グループの考えではカプサク儀式をやりたくない人が亡くなると祖先と団欒を持つことができないとしています。また、男性の場合、この儀式をやらないと年だけ取っても成人とは見なされず、崇拝儀式や村落の活動に参加できません。

ザオ族の男性は生まれてから死ぬまで、少なくとも1度カプサク儀式を済ませなければならないとされています。また、ザオカウ グループの男性の場合、なかなか結婚できません。カプサク儀式は男性が一人前になったこと、また、社会共同体におけるその人の役割を認めるということです。ムオン族やタイ族、サンチャイ族などもカプサク儀式を行いますが、祈祷師しか受けられません。ザオ族では、赤ザオ(Dao do) の男性は12歳から30歳、ザオアオザイ(長い服のザオ)は11歳から19歳まで、カプサク儀式を済ませますが、ザオカウの場合は11歳ないし12歳です。北部山岳地帯ライチャウ省の民族博物館の幹部タン・ラ・ウさんは次のように語りました。

(テープ)

「11歳から12歳の男性がいる家族はカプサク儀式を行い、彼を一人前として認めます。これにより、彼は社会共同体の諸活動に参加できるようになります。この儀式を済ませないと、死んでから祖先と団欒できなくなると思われています。この場合、葬式の際、小規模なカプサク儀式が行われます。」

ザオカウ グループの「成人」カプサク(Cap sac)とは? - ảnh 2


北部カオバン省に住むザオティエン(Dao Tien)グループが結婚した男性だけがカプサク儀式を受けるのと違って、ザオカウの男性がこの儀式を受けないと婿に選ばれません。ライチャウ省、シンホ県の住民タン・キム・フさんの話です。

(テープ)

「男性はカプサク儀式を受けなければなりません。儀式を済ませた男性で祈祷師になった人もいますよ。一方、済ませない人は結婚できず、成人と見なされません。」

カプサク儀式はザオ族共同体の祭りとなっています。村人全員がカプサク儀式に立会い、その男性と家族にお祝いの言葉を述べます。カプサク儀式にはお金がかかるため、2~3年前から、用意しておかなければなりません。さきほどのタン・キム・フさんは次のように話しました。

(テープ)

「多くの食糧・食品を用意しなければなりません。開催日に村は祭りのような雰囲気に包まれます。様々な複雑な儀式が行われます。吉日と時刻を慎重に選び、2~3年前から数十匹もの豚を用意し、祈祷師に頼んで崇拝儀式を行ってもらいます。村人全員が参加し、2~3日にわたって、御馳走を食べます。」

カプサクを受ける前に男性は入浴し、良い行いをして、屠殺してはいけません。また、儀式の参加者らもこの規定を遵守する必要があります。さきほどのライチャウ省、シンホ県の住民タン・キム・フさんは次のように明らかにしました。

(テープ)

「男性、女性ともにカプサクに参列する前に、こうした規定を遵守しなければなりません。悪いことを言ったり、性行為をしてはならないのです。カプサクを受けることは苦境を通過する修行僧のようです。これを済ませる、一人前とみなされます。」

カプサク儀式は2~3日間にわたり行われます。それぞれのカプサク儀式では音楽や舞が披露され、ザオ族ならではの文化を表します。この独特な儀式はベトナム文化を豊かにするものとなっています。

 

ご感想

他の情報