赤ザオ族の女性
ベトナムの各少数民族の独特な祭りの中に、北部山岳地帯イエンバイ省に住む赤ザオ・グループのテトニャイ(Tet nhay)つまりダンス祭りがあります。ダンス祭りは重要な重要な民間祭りの一つで、イエンバイ省、ルックイエン県に住む赤ザオをはじめ、ザオ族の文化色豊かな儀式となっています。ザオ族の風習によりますと、ダンス祭りはリ、バン、チエウというザオ族の3大家族の家長の家でのみ開催されます。毎年旧暦1月の1日と2日の朝7時から11時にかけて、行われる儀式で、新年の幸運を祈ることが狙いです。イエンバイ省、バンチャン県の住民チエウ・クイ・ホイさんは次のように語りました。
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「ザオ族のダンス祭りは民族文化を表し、順調な天候、豊作、幸福、余裕を祈るものです。また、これを通じて、子孫が民族文化を受け継ぐことを願っています。さらに、次の各世代に対し、慈善活動を行うよう教育する意味もあります。」
この祭りの主要な儀式では男女グループは銅のシンバルの音色に合わせて、祈祷師の指揮の下で舞をします。初めは、神様と祖先が祭りを楽しむ感じで、14種の歓迎ダンスを手解きします。それぞれの舞い方は象徴性と独自性が高く、神様と祖先が降臨し、祭りを楽しむ様子を描写します。主なダンスとしては鶏を供養するダンス、道を案内するダンス、橋をかけるダンスなどが挙げられています。ダンスの意味について祈祷師バン・フック・チャウさんは次のように語りました。
(テープ)
「ザオ族の考えでは、カプサク(Cap sac)という儀式、つまり成人式を終えた男性は文官36人、武官72人、女性は文官24人、武官3人からなる側近代表団により奉仕されるとされています。それで、ダンス祭りで披露される舞は側近代表団の迷った人たちを迎える意味があります。これにより、祖先の力が確保されると思われるのです」
ダンス祭りでは、赤ザオ・グループの人々は祖先の功労や家族の経歴、栽培、機織、狩りなどを物語る歌が披露されます。ダンス祭りはコミュニティ的でありながら個人的儀式でもあります。それぞれの個人や家族は儀式の準備や公演を行いますが、ダンス祭りが開催されると、村人と他所の住民は見に行って、独特の演目を観賞することができます。ルックイエン県に住むバン・フック・スオンさんの話です。
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「2年ないし4年ごとにダンス祭りを開催しなければなりません。しなければ、祖先の側近代表団がバラバラに散ってしまい、祖先が自然災害の時抵抗できなくなり、その一年に、家族全員は病気になったり、生産や経営が不調になることを心配するのですよ。ですから、この祭りは代々にわたって伝えられるのです。」
イエンバイ省に住む赤ザオグループのダンス祭りは各家族によって定期的に開催されます。この祭りの目的は家族の経歴、一年間の耕作、狩猟、家族全員の健康などを物語る儀式です。その後、祈祷師と若い男性たちの旗踊りが続きます。現在でも、ダンス祭りはザオ族コミュニティの欠かせない文化活動の一つとなっています。