ベトナムは５４の民族があり、その中に少数民族のザオ族があります。ザオ族の独自の文化は古文書で、ザオ族の文化を研究するカギと言われています。
ザオ族の言葉の中で「サウ」と呼ばれる古文書の中には、ザオ族の苦難移動の歴史と大自然との闘いが描かれています。そのほか、ザオ族の先祖の家系やルーツを語る本もあります。ベトナム美術研究学者、ファン・カム・トゥォン（Phan Cam Thuong ）さんは次のように語りました。
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「ザオ族の特徴は「バンコ」と言われる神を祀る風習があります。この民族の多くの古文書の中には、ザオの人々がベトナム各地で、開拓していたことが記されています。」
昔から、ザオ族の村の書庫の中にはぞれぞれの家庭の家系を描いた古書があります。それに沿って、ザオ族の全ての人々は「バンコ」すなわち「バンウォン」という神様の子弟で、言語も風習も同じです。ザオ族の古書の内容は風習や信仰、儀礼を描いたものです。北部山岳地帯ラオカイ省、ラオカイ市のタイファイ村に住むチェォタフンさん（Cheo Ta Phung）は次のように語りました。
（テープ）
「古文書はザオ族の人々にとって極めて貴重なものです。我々はそれを見て、家を建てたり、結婚式を取り仕切ったりします。ザオ族の習慣によりますと、消灯の儀礼も古文書の教えに従って行わなければなりません。その中には神道・神式の葬儀と儀礼の解説もあります。」
ザオ族の古文書は社会生活での対応やスキル、気象予報、治療方法、農地耕作方法などに関する経験や教訓を提供します。ザオの人々の考えによりますと、世界中の全てのものは魂があり、風神様、雨神様、米神様などがあり、それぞれぞれの神様は長い伝統の中でそれぞれの特色が現れてい ます。祀りの儀礼は古文書の中に記されています。さきほどのチェォ・タ・フンさんは次のように語りました。
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「祭祀の全ての儀礼は古文書の中に詳細に書かれています。ザオ族の言語が読めれば、それらの儀礼の内容を理解できるようになります。」
ベトナムのほかの少数民族と違って、ザオ族の人々は民族の文化価値を保存するため、中国漢字を利用してきました。ファン・カム・トゥォン学者は次のように語りました。
（テープ）
「ザオ族の全ての古文書は藁で作られたものです。古文書は四角を持つもので、文字は筆で書かれた漢字です。古文書一冊は数十ページで、３千から４千の文字を持っています。」
ザオ族の古文書を研究するならば、その民族の歴史、生活ぶり、習慣、風俗が深く理解できるようになります。昔から伝わるこの古文書はザオ族だけでなく、ベトナムにとっても文化の宝庫となることでしょう。