(VOVWORLD) -少数民族ソダン族は豊かで独特で音楽でよく知られています。その音楽は大自然の響きを持っていると言われています。
楽器を演奏するソダン族の子供 たち |
ソダン族の音楽の中で最も生活に根差しているのは民謡です。民謡は、畑仕事の合い間にも、祭りや結婚式の時にも、子守りや、男女のデートの時にもよく歌われています。中部コントゥム省に住むソダン族の一人イ・モンさんは次のように話しています。
(テープ)
「私は時々民謡を歌っています。特に、夜になると、親族と一緒によく民謡を歌います。」
ソダン族の民謡は、歌われる場面によって種類がたくさんありますが、その中で、最も多いのは男女の間でやりとりされる歌垣です。この歌垣は祭りなどでよく歌われ、自分の気持ちを相手に伝える求愛行為です。コントゥム省に住むア・ファンさんは次のように話しています。
(テープ)
「それぞれの村は、故郷や男女の恋愛などを讃える独特な民謡があります。男女は、お互い好きになれば、相手のために歌を創るようになりました。月夜の晩に、男女はよく逢瀬を重ねて、その民謡を歌います。」
ソダン族の子守唄は静かで穏やかな曲で、揺り籠の動きを思わせるようなリズムが特徴的です。その歌詞は母親の気持ちや心を表したり、ソダン族の生活様式や歴史を物語ったりするものが多いです。
ソダン族の音楽について各種楽器を抜きにして語ることはできません。ソダン族の楽器は種類がたくさんありますが、その多くは大自然につながります。ドラ以外のほとんどは竹や木など自然の原料から作られます。楽器の中で最も重要なのはドラです。ソダン族はドラを自らの生活のシンボルとみなしています。
ドラは冠婚葬祭でよく使われます。また、ドラは祭りの主役となります、祭りによってドラのメロディーが異なります。ソダン族の人々はドラの音を聞くだけで、何の祭りが行われているかすぐ分かります。
ソダン族はドラを一つ一つ打つものもありますが、いくつかのセットで演奏することが多いです。少数民族の文化を研究しているリン・ガ・ニエック・ダムさんは次のように話しています。
「ソダン族の村人は10個、11個からなるドラのセットを一斉に打ちながら、悪魔をはらうための生竹の木を回って踊る習慣があります。」
竹製の楽器「クロン・プット」(Klong put) |
ソダン族の楽器の中で、もう一つの重要な楽器は「クロン・プット」(Klong put)という竹製の楽器です。「クロン・プット」は長さ30センチから60センチまでの10本ぐらいの竹を並ぶものです。その演奏は竹の穴の前で両手を合わせて、ポンと叩いて、空気を送ると、その空気が竹に入って、様々な音を発します。クロン・プットを演奏するのは女性だけで、女性の柔らかな手の動作によって大自然の響きが演出されます。
ア・カオさん |
ソダン族の一人ア・カオさんは次のように話しています。
(テープ)
「新米収穫祭りを行った時、村人は竹を切り取って1年間ぐらい乾燥させます。竹は古くなればなるほどいいです。この楽器の演奏は練習しないとできませんよ。」
ソダン族の音楽を楽しみたいとすれば、村祭りを体験した方がいいと言われています。その時、村人が全員、ドラやクロン・プットの音を合わせて民謡を歌ながら、踊るという風景はとても印象的です。