白タイ族にとってシプシ祭りは独特な風習であり、文化生活の美しさを表します。シプシ祭についてご紹介します。
「シプシ祭りが大好きです。これを機に新しい服をもらい、ボール投げやサッカーなどの遊戯を楽しむことができるからです。」
シプシ祭りの準備
北部山岳地帯ソンラ省クインニャイ県、ムオンザン村に住むディエウ・ティ・トゥエンさんはこのように話しました。シピシ祭りは西北部、中でもソンラ省に住む白タイ族の最大の年中行事です。「シプシ」とはタイ語で14を意味します。この祭りは旧暦7月14日に行われます。
白タイ族の考えではシプシ祭りは祖先に心を向ける日であると同時に子供に対し特別な関心を払う機会でもあります。その意味で、シプシ祭りは子供祭りとも呼ばれています。この日に、子供たちが色とりどりの衣服を着て、遊びに行きます。また、これは年初からの半年に収めた成果を総括する機会にもなっています。
ソンラ省、フーイエン県、クアンフイ村に住むハ・ティ・ジエウさんは次のように語りました。
(テープ)
「シプシ祭りは子供祭りとも呼ばれています。その日も、子供たちが畑で水牛をに餌をやるので、オコワやお肉などを畑に持って行かせます。また、彼らのために新しい衣服を縫うか買ってあげます。シプシ祭り開催中、子供や青年たちは遊びに行って、とても楽しいです。」
祖先の供養
シプシ祭りは儀式と娯楽の2部分あります。儀式には祖先や村の創始者の供養をします。供養物としてお酒やお肉、オコワなどがありますが、アヒルの肉とイットという菓子が欠かせません。イット菓子はもち米の粉や豆、豚肉のミンチ、湖沼から作られるものです。
この菓子はバナナの葉にくるんで、煮込みます。2本のイットという菓子が一緒に縛られ、幸福を意味します。一方、アヒルは川や畑、生産と結び付いていることから、アヒルが悪事や不運を川の流れと共に持っていくと思われ、供え物として捧げます。
シプシ祭りの開催規模は各家庭によって違いますが、供養をした後、家族全員は一緒に食事をします。子と孫は高齢者の長寿を祈る一方で、大人は子供たちの平安と健康を祈ります。
また、この祭りはお客に対するもてなしを表す機会でもあるとしています。親しい友人からあまり知らない人まで誰でも温かく扱われ、シプシ祭りでしか作らない料理をご馳走がふるまわれます。
フーイエン県、フイタン村のハ・ホ・バクさんは次のように語りました。
(テープ)
「シプシを楽しみますが、酔っ払うのはだめです。ですからお酒を飲みすぎてはダメですよ。」
シプシ開催中、民間遊戯や民族舞踊、民謡公演などの活動も行われます。この祭りに参加すると、白タイ族の文化色を実感することでしょう。