(VOVWORLD) - いくら貧しくてもどんなに小さいものでもいいから、銀のネックレスや腕輪をつけるという習慣があります。
民族衣装を着ているタイ族の女性たち |
ベトナム北西部に居住している少数民族タイ族は昔から、銀をとても大切にしています。いつも銀の装飾品をつけることや、銀を、結婚や葬儀、信仰的儀式などに欠かせないお供えとして見なしていることはタイ族の生活における銀の重要性を示しています。
かつて、タイ族は、ある人の豊かさを、その人が所有する銀の量で判断していました。また、銀は、風邪の予防対策という効果があるため、いくら貧しくてもどんなに小さいものでもいいから、銀のネックレスや腕輪をつけるという習慣があります。ソンラ省ソンラ市フアラ村の祈祷師トン・ヴァン・ヒアさんは次のように話しました。
(テープ)
「かつて、銀は貴重な金属で、その価値は高かったです。銀の硬貨で品物を売買していました。それは銀の硬貨を持つ人が少なかったです。現在は、商品の売買の目的で、銀の硬貨を使うことはありませんが、どの家族も銀の硬貨を持っています。これは、健康の保護と家族が安らかでいるためです。例えば、普通の風邪にかかった場合、銀の硬貨を、茹で卵の卵白の中に入れて、風邪にかかった人の背と摩擦させると、体が和らぎますよ。」
結婚式で花嫁の頭の髷を結っています |
そして、銀は結婚式にも欠かせない贈り物です。男性の家族は、どんなに貧しくても、女性の家族への贈り物として少なくとも銀の硬貨を数枚用意しなければなりません。経済的に余裕があれば、銀の硬貨の他、銀の装飾品なども用意します。先ほどの祈祷師トン・ヴァン・ヒアさんは次のように話しました。
(テープ)
「タイ族の風俗習慣によると、花婿の家族は、花嫁の頭にまげを結うという儀式で使われる銀のヘアピンを用意しなければなりません。その他、銀の指輪と腕輪をそれぞれ2個用意します。もし、経済的余裕があったら、銀のネックレスを花嫁に贈ります。しかし、花嫁の両親への贈り物は、銀の硬貨ですから、いくら貧しくても、銀の硬貨を数枚用意しなければなりません。」
銀は、タイ族の女性にとって欠かせない装飾品で、銀の装飾品をたくさん飾る女性は少なくないです。既婚を意味する女性の頭の「髷」を固定させるヘアピンや、指輪、腕輪、ネックレスなどの他、ブラウスの銀ボタンや、腰にさげる銀の鎖もあります。ソンラ市ザンラク村に住むタイ族の一人クアン・ティ・ロイさんは次のように話しました。
(テープ)
「タイ族の女性ならば、必ず銀の指輪、腕輪、ヘアピンを持っています。宴席などへ行くとき、銀の鎖を腰に掛ける人も多いです。銀の鎖がなければ、友達に借りてもいいです。」
現在、金や宝石の装飾品が流行っていますが、銀は依然としてタイ族の生活にとって欠かせない存在となっています。