チャビン省 クメール族のコミュニティの有力者・人格者を活用
(VOVWORLD) - 南部メコンデルタのチャビン省の人口は100万人以上で、その3割が少数民族クメール族です。チャビン省はクメール族の人々に国の政策・法律の順守や社会経済開発への貢献を働きかけるために、クメール族のコミュニティの有力者・人格者を活用しています。
これまでチャビン省人民委員会によって認定された有力者・人格者は約500人で、その多くは定年退職した元公務員のほか、名の通った僧侶、芸能人、ビジネスマンなどです。彼らは地元の行政府と協力して、住民に対し、「新農村建設」や「文明都市の建設」、「ホーチミン主席の思想・道徳・ライフスタイルを見習おう」、「貧困者のための全国民の団結」などの運動への積極的な参加を働きかけています。チャビン省ティエウカン県ロンタイ村カウチェ集落に暮らす、有力者・人格者人として認定されているタック・タイン・ハイさんは次のように語りました。
(テープ)
「私は定年退職前、ロンタイ村の党委員会委員長を務めていました。地元の人々は「お寺には住職が、村には党委員長がいる」という表現をよく使っています。そのため、私は村のお寺と密接に連携し、村の「相互支援の会」を作りました。また、「啓蒙クラブ」も発足させ、毎月旧暦の15日と30日に村人がお寺へ参拝に行く時、お寺の住職と一緒に啓もう活動を行い、すごく効果が上がっています。かつて、多くの貧困世帯がありましたが、現在は7世帯しかありません。今年は4世帯が貧困状態から抜け出せる見込みです」
オチフック寺の住職タック・ウットさん |
有力者・人格者として認められている僧侶たちも村での発言力が大きく、説得力があると評されています。ティエウカン県にあるオチフック寺の住職タック・ウットさんは次のように語りました。
(テープ)
「仏教徒を導くという役割の私たちは、村人に対し法律を順守し、労働にいそしむよう働きかけています。また、子どもには学校に通って一生懸命勉強するよう激励の言葉を述べています。そして、悪い人の言葉を信じないように村人に勧告しています」
僧侶たちは、 仏教徒の精神生活を導くだけでなく、困難な状況の村人も支援 しています。 チャーク県にあるチョロイ・タンサ寺の住職ザン・ソタインさんは次の ように語りました。
(テープ)
「新型コロナウイルス感染症が拡大していたとき、私たちは関連機関と連携し、村人に 米やインスタントヌードル、砂糖などの生活必需品を贈りました。 また、2015年からは私の資金と、支援者から募った寄付金で、身寄りのないお年寄りや特に貧しい人などに向けて家を建てています。 去年は12件の家が建てられ、その費用総額は6億ベトナムドンでした。今年も引き続き家を建てます」
住民は僧侶たちの支援と献身的な行いに感服し、僧侶の教えに沿って生活と労働に取り組んでいます。ティエウカン県ヒュートゥ村に暮らすキム・ソンさんは次のように語りました。
(テープ)
「僧侶たち精神生活を指導するとともに、相互支援を生活改善においても大きな支援をしてくれています。これにより、私たちは団結し合って、相互支援の精神で暮らしています」
チャビン省はこれからも、コミュニティの有力者・人格者を活用するというモデルの成果を活かし、地元の社会経済開発と住民の生活改善を進める方針です。