(VOVWORLD) - 旧暦の7月7日に行われる栽培開始祭りは、種まきを終えたことを示すものであり、神様に良い天候と豊作を祈るためのものでもあります。
ベトナム中部クアンビン省とハティン省に居住しているチュット族は人口がわずか6千人で、ベトナムの53の少数民族の中で人口が最も少ない少数民族です。チュット族は1958年に山中で発見されてから、原始的な生活から現代的生活に徐々に変わってきました。原始的な生活の一部の習慣は消滅しましたが、良き習慣は大切に保存されています。その中で、栽培開始祭りは今もなお、保たれています。
栽培開始祭りを楽しんでいるチュット族の村人 |
旧暦の7月7日に行われる栽培開始祭りは、種まきを終えたことを示すものであり、神様に良い天候と豊作を祈るためのものでもあります。ハティン省フォンケ県ラオチェ村に住むグエン・ティエン・バオさんは次のように話しました。
(テープ)
「種まきが終わってから栽培開始祭りが催されます。この祭りは神様と先祖に、種まきが終わったことを知らせ、豊作と植物の繁殖及び人間の健康と幸福を祈るためのものです。」
(テープ:現場の音)
お聞きいただいたのは、ハティン省フォンケ県ラオチェ村で行われたチュット族の栽培開始祭りです。祭りは村の最も重要な行事とされ、村人全員が祭りの準備に参加します。祭りの主催者は村の最も有力な祈祷師です。祈祷師は神と人間との懸け橋として重要な役割を果たすのです。祭りは、次のような祈祷師のお祈りで始まります。
(テープ)
「森林の魂、神様、先祖の皆様、本日、7月7日に、村は栽培開始祭りを開催いたします。お供え物は、コメ、おこわ、豚、鶏、お花などで、わずかでございますが、村人を代表して、皆様を招聘してお供え物を受け取っていただきたいと思います。村人が不運に遭わずに、元気で豊かで幸福な生活を送れるようにご支援をお願い申し上げます。」
祈祷師はお祈りをした後、祭壇に置いてある茶碗からコメを少しとって周りにまき散らします。このコメは神様や先祖に村への道のりを案内するものです。その後、村人は、お供え物を食べながら、踊ったり歌ったりして祭りを楽しみます。
国境警備部隊がチュット族を大いに支援しています。 |
今年の栽培開始祭りでは、国境警備部隊の支援により、より多いお供えものが用意されました。また、村人は、各組織の支援によって建設された新しい高床式の家に住むようになりました。そして、地元の行政府と国境警備部隊の教育を受けた村人は、たくさんお酒を飲むなどよくない習慣を捨てるようになっています。ハティン省国境警備部隊の隊長ヴォ・チョン・ハイ大佐は次のように語りました。
(テープ)
「国境警備部隊は、生活と生産におけるチュット族の人々の認識を高めるために全力を尽くしています。かつて、チュット族は狩猟採集の生活様式を持っていましたが、国境警備部隊の支援により、現在はベトナム語で喋るようになりましたし、新しい生産・生活様式も受け入れました。」
チュット族の生活は徐々に改善されていますが、昔からの良き習慣や文化は保たれています。