テイ族の石で建てられた高床式の家

(VOVWORLD) - テイ族の考えでは、石は、宇宙の中心であり、命の始まりでもあるとされています。

ハノイから北へ300キロメートル以上離れたところにあるカオバン省チュンカイン県は少数民族テイ族の居住地です。ここのテイ族は、他の地方のテイ族と違って、木材で建てられた高床式の家ではなく、石造の高床式の家に住んでいます。その中でも、クオイキ村は、石で建てられた高床式の家がたくさんあることで有名で、国内外の観光客をひきつける観光スポットとなっています。

テイ族の石で建てられた高床式の家 - ảnh 1 クオイキ村の石造の高床式の家

チュンカイン県に住むテイ族は、石の神様を祀る信仰があります。テイ族の考えでは、石は、宇宙の中心であり、命の始まりでもあるとされています。石の神様は人間を厳しい自然から守る「守り神」として祀られており、石の神様に感謝の気持ちを示すための行事は村の重要なイベントとなっています。チュンカイン県人民委員会のダム・ヴァン・ヴ委員長は次のように語りました。

(テープ)

「チュンカイン県では、テイ族の高床式の家はベトナムに点在する高床式の家と違って石で建てられます。かつて、床の上は人間の住まいで、床の下は家畜を飼うところでしたが、現在、床の下で家畜を飼わなくなりました。この地方は山岳地でばかりですから、石は住民の生活にとって欠かせない存在です。高床式の家の他、家を囲む塀、そして、臼や椅子などの家具も石で作ります。」

チュンカイン県の中で石で建てられた高床式の家が最も多い村は、クオイキ村です。現在、この村にはこの家が14軒あり、その中には400年前に建てられた家もあります。村人のお年寄りチエウ・ティ・モさんは次のように話しました。

(テープ)

「石の家はかなり昔、建てられました。私の祖父母が生きていた時代にもありましたから。石の家の中はとても涼しくて心地よいですよ。だが、石の家を建てることはとても大変だそうです。」

テイ族の石で建てられた高床式の家 - ảnh 2ホームステイのスポットである石造の高床式の家 

石で高床式の家を建てるためには2、3年かかります。家の大きさはその家族の人数に基づいて決められますが、家の高さは7メートル~8メートルです。家の建設で最も重要なのは石を選ぶことです。建てようとする家にふさわしい石を見つけるのは簡単ではないので、早く建てることはできません。

こうしたクオイキ村は2010年に、国から「少数民族の代表的な村」という称号を授与されました。それ以来、この村を訪れる国内外の観光客は増えつつあり、観光は村人にとっていい収入源となっています。クオイキ村の一人ノン・イック・ダットさんは次のように話しました。

(テープ)

「2010年以来は、村は観光スポットとなりました。これからも、観光客が村人の生活を体験するために、ホームステイサービスが始まりますよ。」

石で建てられた高床式の家は、依然として山間部の厳しい気候から人間の生活を守っているだけでなく、地元の人々の生活改善にも寄与しています。

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