(VOVWORLD) - ハニ族のお正月は、村人にとって1年の労苦をねぎらうものであり、村の共同体の団結を強化する時でもあります。
ベトナムの54民族の一つであるハニ族はベトナム北西部の山岳地帯に居住する少数民族です。2009年の国勢調査によりますと、その人口はわずか2万1700人ですが、独特の豊かな文化で知られています。ハニ族の文化について触れるならば、「コニェチャ」(Co nhe tra)と呼ばれるお正月を抜きに語ることはできません。
お正月の宴会 |
ハニ族のお正月は、1年間一生懸命働いた後の苦労を解消したり、家族団らんを行ったりするチャンスであるとされています。お正月はハニ族の暦によるもので、11月に行われるのが一般的です。ライチヤウ省ムオンテ県に住むハニ族の一人チュ・セ・ルさんは次のように話しました。
(テープ)
「ハニ族のお正月は11月に行われるのが一般的ですが、11月の中の『辰の日』に始めなければなりません。」
お正月を前にして、村人は、自宅はもちろん、お正月のイベントが行われる場所の掃除をします。また、お正月に食べられるお節料理も準備します。お節料理の中で最も重要なのは各種のお餅と豚肉です。これらはお正月に先祖に備える欠くことのできないお供え物です。特に、豚肉をたくさん供えする家庭はその1年で仕事がうまくいったと考えられています。そのほかのお供え物はお酒やご飯、生姜、塩、唐辛子などです。そなそなえ
ハニー族のお餅 |
ハニ族の祭壇は2つあります。父方の先祖を祀る祭壇は、その家庭の夫婦のヘッドボードに置かれますが、母方の先祖を祀る祭壇は台所に置かれます。お正月に先祖にお供えをする人は女性だけです。ライチヤウ省ムオンテ県トゥルム村にに住むチュ・ポ・チュさんは次のように話しました。
(テープ)
「ハニ族の先祖に差し上げるお供え物の準備は女性が担います。男性はあまりしません。女性は家事が役目ですから。先祖を祀る儀式は簡単です。お供え物は豚肉や鶏肉ですが、その家庭の経済状況によってちょっと異なります。」
先祖にお供えする |
先祖にお供えをした後、一家の主は民族衣装を着用して、健康や豊作、幸運などを祈ります。
ハニ族のお正月は3日間行われるのが一般的です。この3日間、だれもが最もきれいな民族衣装を着ます。お正月に、村人は、歌ったり踊ったりするほか、ブランコやコマまわしなどの伝統的な遊びをします。また、お正月は、若者が歌垣の形で民謡を歌って結婚相手を探す機会でもあります。そして、村人は互いに、良い新年のお祈りをします。ハニ族のお正月は、村人にとって1年の労苦をねぎらうものであり、村の共同体の団結を強化する時でもあります。