ベトナム最北端のハーザン省に住む少数民族プペオ族は、今も独特の文化や習慣を守っていますが、その中でも民族衣装は大切にされています。この民族の服装は他の少数民族と違って地味ですが、作るのは簡単ではありません。

プペオ族の男性は藍色の服を着用しますが、女性は2枚の黒いシャツと青いスカートを着ます。上着のシャツは右わきの下の方にボタンがあり、中のシャツは胸の真ん中にボタンがあります。黒いシャツの右胸と両腕には、３～４本の線が模様として入ります。また、女性はスカートの裾に模様があります。その模様は鶏のとさかや太陽であり、この民族の精神生活の支えとなっています。プペオ族の一人チャン・ティ・マイさんは次のように話しています。
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「プペオ族の服装は、見た目はシンプルですが、実は、精緻きわまるものです。一番難しいのはスカートの裾模様を作ることです。スカート本体はそれより簡単です。男性の服装はかつて、ドレスみたいでしたが、現在は他の少数民族と同様、藍色のシャツとズボンを着用しますが、赤、青、黄色、紫の模様も少し入ります。」

プペオ族の服の模様は刺繍だけでなく、三角や楕円形、四角に切られた様々な彩の布をパッチワークするのです。数十個の小さな布のパーツを綺麗な模様に仕上げるのはかなりの時間と工夫と根気が必要です。プペオ族の一人クン・ティ・スアンさんは次のように話しました。
（テープ）

「プペオ族の女性がよく着ている服装はスカート、シャツ、くしとずきんが含まれています。スカートの裾には模様が付いています。この模様は、他の少数民族と違って、織るのではなく、布や刺繍を縫いつけるものです。」

プペオ族の衣服の主な色は赤と青です。赤は男性を意味し、青は女性を意味します。女性の服は常に、赤を優先して青より先に縫ったり刺繍します。それは一家の柱である男性に対する女性からの尊敬を表します。

衣服の模様はプペオ族の女性の手先の器用さを表しています。模様を見るだけで、その女性がどんな人かわかると考えられています。プペオ族の一人ルック・ティ・フエさんは次のように話しました。
（テープ）

「プペオ族の衣服を作るときの一番難しいのはスカートの裾と腕の模様です。その模様は精密で、ぜんぶ自分だけで作るものだからです。とても細かい模様がたくさんありますので、完成させるにはかなりの時間がかかります。」

プペオ族の女性は、銀の腕輪や首輪、指輪などもよく身に着けています。また、髪を束ねて木製のくしで固定するプペオ族ならではの習慣があります。最近、プペオ族の男性はハーザン省に住む他の少数民族と同様、藍色の服を着ていますが、女性の服装はかつてのように、その独特さを保っています。