ムオン族の婚姻の風習

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ムオン族の文化色は生活スタイル、風俗習慣、信仰などに表れています。中でも、婚姻の儀式はムオン族の家庭、家族の形成、発展に大きな影響を与えるものであるとされています。

現在、ムオン族の婚姻儀式は簡素化されましたが、それでも伝統的な要素が保たれています。昔、婚姻は両親が決めるもので、子どもは相手を選べませんでした。今、若い男女は自由にデートをし、自由に結婚相手を選ぶことができるようになりました。婚姻儀式の準備は周到に行われ、数ヶ月か一年間、ひいては数年間もかけます。まず、結婚式を行うためには、縁起のいい日を選びます。北部山岳地帯ホアビン省、タンラク県、ディックザオ村の住民ブイ・バン・バンさんは次のように語りました。

(テープ)

「私たちムオン族の婚姻に関していえば、まず、男性の家族は集って、家族全員の意見を伺います。皆が同意した場合、威信のある人を仲人に選びます。仲人にご馳走をした後、女性の家族に酒2本とお茶を手渡します。女性の家族も集まって、男性側の結婚の申し込みを受けるかどうかを相談します。」

ムオン族の婚姻儀式には仲人は欠かせません。仲人は男性の家族を代表して、女性の家族に結婚の申し込みを伝えるほか、結婚の準備を相談します。結婚式の成功には仲人の貢献が大きいとみられます。現在もムオン族は結納品の要求という風習を維持しています。女性の家族は仲人に結納品の要求を伝え、その中に水牛一頭、中身のない餅、お金、お酒、コメ60キロ、もち米40キロが含まれます。男性の家族が同意しない場合、仲人に男性の家族との再び相談を要請します。同じくホアビン省、タンラク県、ディックザオ村に住み、よく仲人を頼まれているブイ・バン・ビエンさんの話です。

(テープ)

「この20年間、何度も仲人を務めてきました。男性の家族のお礼を女性の家族に持って行き、男女の結婚を相談します。女性の家族全員が集まって、仲人を通じて伝えられた男性の家族の意見に耳を傾けます。その後、仲人は女性の家族と披露宴の日取りについて相談するのです。また、男性の家族とともに結納品について話し合う必要があります。仲人の役割は極めて重要ですよ。というのは結婚式のあらゆる手続きを担当するからです。」

披露宴の日取りを決めた後、両家は結婚の準備を進めますが、披露宴の一日前、結納品が女性家族の元に運ばれます。ムオン族の花嫁を迎える儀式も独特です。迎える代表団の人数が決められ、それぞれが具体的な任務を果たし、長老を団長とします。また、花嫁を迎える代表団は花嫁の家族でご馳走をする風習もあります。先ほどのホアビン省、タンラク県、ディックザオ村のブイ・バン・バンさんは次のように語りました。

(テープ)

「ムオン族の通例によりますと、結納にはキンマの葉やビンロウ樹の実、鶏肉、豚肉、砂糖キビが欠かせません。また、お金も必要なものです。」

花嫁を迎える儀式後、男性の家族は仲人と迎える代表団に贈り物をしなければなりません。ムオン族の伝統では、花嫁は結婚してからも、昼間は夫の家で仕事をしますが、夜は、実家に戻ります。第一子を生んでから初めて夫の家に定着します。現在も、ホアビン省、ラクソン県に住むムオン族の人々はこの風習を維持しているそうです。

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