モノン族は早くから中部高原地帯テイグエン地方に定住し、独特な文化色を維持しています。その中には叙事詩や銅のドラとシンバルの演奏、民謡、民間舞踊などがあります。
ダクノン省に住むモノン族
モノン族は自然とよく調和をとって生活し、多神教を信仰しています。彼らは神は至る所に宿っていると考えています。カマドの神は火を守り、森の神は鳥や動物を提供しますが、山や川の神は水源を保護し、農業の神は豊作を与える一方、雷の神は悪い行いをする者を処罰するとしています。
収穫後、モノン族の村にあたる各ボンで祭りが開催され、豊作をもたらした神様と先祖を感謝することが狙いです。お酒を飲む祭りや新米の収穫を祝う祭り、結婚式、成人式などが稲作と狩猟に従事するモノン族コミュニティの文化色を示します。
ダクラク省の民族博物館のルオン・ティ・ソン館長は次のように語りました。
(テープ)
「現在も新米の収穫を祝う祭りや雨乞い、豊作を祈る儀式などが維持されています。また、大切にされている儀式の一つは「ボーマ」(bo ma)という儀式、つまり死者との永遠のお別れ式なのです。この儀式はダクラク省のエアスップ県辺りとブオンドン県に普及しています。一方、象レースが省レベルの大規模な祭りとなっています。」
モノン族は「ボーマ」(bo ma)儀式を重視しています。彼らの考えでは亡くなったばかりの人の魂が親族の周りを漂っているとしています。それで、埋葬後も、毎日、家族は使者の供養を行っています。3年から5年経った後、ボーマ儀式を行います。
この儀式が行うことで、生きている人と死者との繋がりが断ち切られ、死者は別世界に行けるのです。ボーマの儀式では銅のドラとシンバルをならしたり、歌と舞いを披露したり、人形劇を演じたりして奉納することもあります。
ダクラク省の少数民族研究者のグエン・ティ・ゴックさんは次のように話しました。
(テープ)
「経済的余裕があるかどうか家族によってボーマ儀式の規模が決まります。家族は村人にご馳走をふるまうため、豚肉や鶏肉を用意するほか、美しい墓を建てるため、墓に木製や水牛の角などで作った像を飾り、死者人に対する気持ちを表すことが狙いです。」
モノン族独特の文化について象の調教や叙事詩を抜きに語ることはできません。「オト・ノロン」という叙事詩はモノン族の最古のものであり、テイグエン地方に住む各少数民族の発展ぶりを反映したものとされています。
現在、モノン族が住んでいる各地方の行政当局や関係部門は少数民族の文化価値の保存、発揮に深い関心を寄せています。ダクラク省の民族博物館のルオン・ティ・ソン館長は次のように語りました。
(テープ)
「国家は文化保存にあらゆる手を尽くする一方、文化部門は伝統の祭りを再現するとともに、踊りやドラの鳴らし方、叙事詩の語り方などに関する教室を開きました。また、住民に対し、民族文化を愛するように宣伝を促進する必要があります。」
この間、音楽や文学創作キャンプや民謡、踊り、叙事詩語りコンテストなどが相次いで行われ、参入と発展の背景の中でモノン族の文化色の保存に寄与するとしています。