モン族のガウタオ祭り

(VOVWORLD) - モン族の言葉でガウタオは「外で遊ぶ」という意味ですが、ガウタオ祭りは元々、子どもを産みたい家族が神様に子どもを授けてくれるように行われるものでした。

ベトナム北部山岳地帯のハザン省に住む少数民族モン族は多くの祭りを誇っていますが、その中で、「ガウタオ(Gau Tao)」という祭りは、モン族の信仰と精神生活を示す独特な祭りです。また、旧暦の1月3日から6日まで行われるこの祭りは旧正月テト明けの最大の祭りとなり、モン族だけでなく、ほかの民族の人々と観光客の多くを引き付けています。

モン族のガウタオ祭り - ảnh 1ガウタオ祭りで神様に感謝する儀式を行っている村長

(テープ)現場の音

モン族の言葉でガウタオは「外で遊ぶ」という意味ですが、ガウタオ祭りは元々、子どもを産みたい家族が神様に子どもを授けてくれるように行われるものでした。また、健康常態が良くない子どもがいる家族や、不作に陥っている家族、家畜が死んだ家族などもこれらの不運を追い払うためにガウタオ祭りを催しました。

しかし、近年、ガウタオ祭りは、村人の健康や幸運、豊作を祈るために行われ、村全体の祭りとなっています。それでも、なかなか子どもを産まない夫婦にとってこの祭りは依然として重要な意義を持っています。ハザン省クアンバ県タインヴァン村に住むモン族の一人ヴァン・チャン・ザオさんは次のように話しました。

(テープ)

「かつて、ガウタオ祭りは、なかなか子どもが産まれない夫婦たちが行う催しでした。もし、祭りの後、子どもが産まれれば、子どもを授けてくれた神様に感謝するためガウタオ祭りを行い、祭りで、村人はこの夫婦にお祝いをするとともに、村の平穏や幸福も祈るという習慣がありました。これは祭りの最も重要な意義です。」

ガウタオ祭りの準備として天と地のマッチングを象徴する「ネウ」という木が村の広い敷地に建てられるほか、お酒、鶏、豚などのお供え物が用意されます。その中で、「ネウ」を建てることが重要です。先ほどのザオさんは次のように話しました。

(テープ)

「ガウタオ祭りの準備としてまず司会担当者を選びます。次は、木を切って「ネウ」を建てることです。「ネウ」になる木は長さが約7メートルで、こずえがあるものでなければなりません。また、切るとき、東の方に倒れるように切らなければなりません。そして、ネウを建てる前に、村長は神様に感謝する儀式を行い、豊かさの象徴として、ネウのこずえに酒瓶や稲の塊、赤い布をつけます。」

モン族のガウタオ祭り - ảnh 2ネウのこずえに稲の塊などをつけている村長

ネウが建てられた後、村の若者たちはネウのこずえにつけられているものを手に入れるために、互いに競い合ってネウをのぼります。これらのものを用意できる人は天からの贈り物を受け、その一年中、健康や豊かさに恵まれると信じられます。そのため、村の若者たちは全員、この競い合いを望みます。ハザン省クアンバ県タインヴァン村に住むモン族の若者ヴァン・ミン・テさんは次のように話しました。

(テープ)

「今年は新型コロナの影響でガウタオ祭りが行われませんでしたが、ガウタオ祭りはモン族の代表的な祭りなので、これからも毎年行われるようにと願っています。祭りで、若者たちは互いに遊んだり、競い合ったりするなどとても楽しいです。また、村人が幸福などよい年になるように祈るチャンスでもあります。」

ガウタオ祭りは元々、神様に子どもを授けてくれるように拝むためのものでしたが、村の豊作や幸運を祈るためのものへと変わったので、モン族のコミュニティーのより強いつながりを促す催しとなっています。

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