モン族の文化保存に尽力するチュアさん

北部山岳地帯ハーザン省、メオバック県に住んでいるモン族の女性タオ・ティ・チュアさんはモン族の宝物とされている日用品や楽器などを収集、保存するために、資金と労力を惜しむことはできません。チュアさんはハノイ郊外ドンモ地域にあるベトナム各民族文化村を訪れた際、熱心にモン族について紹介しています。

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「我が民族を愛しています。民族の物を守らなければ、若い世代は何も受け継がれません。年をとった私は次の各世代のために伝統文化を保存しなければならないと思います。私は普通の一般人ですが、小さくてもいいので、何か我が民族のために貢献したいのです。」

チュアさんはこのベトナム各民族文化村の訪問を機にモン族の古物をたくさん贈りました。これらの古物を収集するため、チュアさんはかなりのお金と時間を費やしてきました。チュアさんは「モン族の古物は多くは残っていない。保存する意識を芽生えさせない限り、古物はだんだん無くなるであろう」と述べ、次のように語りました。

(テープ)

「人間ならば、誰でも亡くなりますが、物は永久に残ることでしょう。保存している古物は今後、国立博物館か、省立博物館に贈りたいのです。次の各世代に民族の源への理解を深めてもらえば・・・と思います。」

モン族の文化保存に尽力するチュアさん - ảnh 1

毎晩、チュアさんはモン族の各村や集落を回って、古物を探しています。日用品のほかに、笛など吹奏楽器の収集にも力を入れています。チュアさんは「モン族にとって笛などはとても貴重なもので、神と人間をつなげるものでもなっている」と明らかにし、大事に保存しています。チュアさんは次のように話しました。

(テープ)

「吹楽器はモン族の楽器の中に欠かせないものです。これらは人の心をとりこにする音色を発する一方、葬儀では、寂しいメロディーを奏でます。ですから、吹楽器はモン族の伴奏者に例えられています。」

現在、吹楽器のリズムに合わせ、踊ることができる若者は少ないです。祭りや行事などで吹楽器の音色があまり聞こえません。こうした事情を踏まえ、チュアさんはモン族の若者の間に吹楽器への情熱を芽生えさせるため、笛の吹き方を教える教室を開くことにしました。この10年間、チュアさんは古物の収集と吹楽器の演奏を教える教室の運営を両立させている傍ら、女性たちにリンネルの原料になる亜麻の栽培や機織りを教えています。また、2人の娘にモン族の民族衣装づくりを手ほどきしました。チュアさんの話です。

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「亜麻からそんな美しい錦の布を作り上げることができます。錦は外国に出荷されるようになっています。しかし、錦づくりに心血を注がなければならないとしています。」

チュアさんが常に願っていることはモン族が永遠に存続し、次の各世代が民族のルーツをよく把握することです。これは彼女にとって喜ばしいことであり、幸せなことでもあります。

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