ライチャウ省のコームー族

(VOVWORLD) - 人口が少ない少数民族でありながらも、豊かな文化を誇りにしています。
ライチャウ省のコームー族 - ảnh 1ドラを叩いているコームー族の女性 

ハノイから北西へ約450キロ離れたところにあるライチャウ省は、19の少数民族が住んでいる地方で、その中で、コームー(Kho Mu)族はわずか7500人以上で、タンウィエンとシンホーという2つの県に集中しています。人口が少ない少数民族でありながらも、豊かな文化を誇りにしています。

サカウ(Xa Cau)、ムンセン(Mun Xen)、プテン(Pu Thenh)とも呼ばれているコームー族は山の中間部に家を建ており、それぞれの村は数十軒の家があります。コームー族は家の建築を大切にしており、新築祝いの式はその家族だけでなく、村全体の行事でもあります。その式で、コームー族ならではの文芸が披露されます。

コームー族の家は高床式の家ですが、面積が狭く、簡単に建てられます。コームー族の家の特徴は、囲炉りにはつねに火がついていることです。これはコームー族独特な文化の一つでもあります。タンウィエン県ターミット村に住むホアン・ヴァン・ファインさんは次のように話しました。

(テープ)

「コームー族の高床式の家は部屋が3つか4つあります。家の中には必ず囲炉りがあって、また、ドアが2つあります。花嫁を迎えるとき、正門から家に入ってはいけません。花嫁は結婚式からの数日後の間、家の後ろにある通用門を使わなければなりません。コームー族の家は大小を問わず、3つの囲炉りを置かなければなりません。」

ライチャウ省のコームー族 - ảnh 2コームー族の踊り 

家の正門の右にある部屋の左には囲炉りがあります。この囲炉りは日々の食事を作るための台所で、囲炉りの上には、食料を乾燥させる棚がかけてあります。この囲炉りは、単に食事を作るわけではなく、その囲炉りの周りの空間は居間として来客を接待する場所にもなります。

2つ目の囲炉りは、真ん中の部屋にあります。この囲炉りは先祖を祀るところで、「祀る囲炉り」とも呼ばれています。真ん中の部屋にある囲炉りは、コームー族にとって神聖なところで、知らない人は入ってはいけません。2つ目の囲炉りとその周辺は、家の最も大切な空間で、家族の重要な行事はこの空間で行われます。

そして、3つ目の囲炉りは左の部屋にあります。おこわを作るためだけに使用されますから、「おこわの囲炉り」とも呼ばれています。その年の最初の収穫のもち米はこの囲炉りでおこわをつくり、米の神様に供えられます。そのため、囲炉りの道具は神聖で、他のところへ持って行ってはいけません。

少数民族コームー族はトウモロコシ、タピオカ、ジャガイモなどの栽培を本業としていますが、副業として竹細工、籐細工、鍛冶屋、木工仕事などをしています。その中でも、竹細工と籐細工は最も盛んで、主たる生計の一つとなっています。竹や籐はコームー族の職人たちの巧みな手際によって便利な椅子、お盆、籠などになります。

コームー族は子どもの頃から、親などから竹細工や籐細工の技を習います。そのため、コームー族の人々のほとんどはこの細工ができます。特に、近年、これらの家具はよく売れていますから、多くの人にとって主たる生計の一つとなっています。タンウィエン県ターミット村に住むロ・ティ・スアンさんは次のように話しました。

(テープ)

「私たちは、子どもによく教えています。この仕事は先祖から伝わるもので、維持してほしいからです。また、日常生活に役立つだけでなく、いい収入をもたらす仕事なんです。」

コームー族は、豊かな民謡と踊りも誇りにしています。伝統的な民謡と踊りを守るため、各村はクラブやグループを作っています。これらのクラブやグループは、子どもに教えたり、周辺の村で交流したりするなど伝統的な民謡と踊りの保護に取り組んでいます。

昔とあまり変わらないこうしたコームー族の文化と生活は国内外の観光客をひきつけており、地元の主要観光商品となっています。

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