ラオカイ省 少数民族の伝統文化の保存で観光開発を目指す
(VOVWORLD) - ハノイから西北へ300キロメートル離れたところにあるラオカイ省は壮大な山々と20以上の少数民族の豊かな文化で知られています。また、同省には国レベルと省レベルの文化遺跡が50か所以上、国レベルと世界の無形文化遺産が約40あります。これはラオカイ省の観光開発の基盤となっています。
ラオカイ省バックハ県ナムカイン村に暮らす少数民族ラチ族は今もなお、多くの伝統文化を維持しており、その中に、昔から伝わる錦織があります。ラオカイ省はラチ族の伝統的な錦織の体験を観光商品とし、この職業の維持と開発に取り組んでいます。
錦織を織っているラチ族の女性 |
ラチ族の錦織は衰退したときもありましたが、地元行政府の支援により、徐々に回復しています。現在、ナムカイン村では、女性たちが錦織を織ったり、互いに錦織の織り方を教えたりしている風景がよく見かけられています。村人のリ・ティ・フォンさんは次のように話しました。
(テープ)
「伝統的な錦織を保つためにはその作り方を文書で保存する必要があります。さらに映像で保存できればよいと思います。これは次の世代が学ぶことに役立つからです」
一方、少数民族テイ族が多数暮らしているバオイエン県ギアド村には、ユネスコに世界無形文化遺産として認定されたテイ族の民謡「テン」があります。
(テープ)「テン」の歌
お聞きいただいているのはギアド村ナルオン集落の伝統芸能チームが唄う民謡「テン」です。この村は民謡「テン」を観光客を誘致するものとして、「テン」の保存と開発に力を入れています。ナルオン集落の伝統芸能チームの担当者キム・ティ・マイさんは次のように話しました。
(テープ)
「我が民族の民謡『テン』の保存と開発は観光開発に役立っていると思います。観光客の多くは「テン」を楽しみたいと思って我が村に来てくれているからです」
ギアド村の「テン」クラブ |
これまで、ギアド村の全13の集落では、伝統芸能チームが発足しています。各チームは観光客向けの演目を行うとともに、若者に「テン」を教えています。村の若者の話です。
(テープ)
「村のおばあさん、おばさんから『テン』を教えてもらいました。『テン』は我が民族特有の民謡なので、何としてでも保ってその価値を伝えたいと思います」
2001年、ラオカイ省は、「ラオカイ省の各民族特有の文化の保存と開発」をテーマとした計画の展開を始めました。この計画は、伝統民謡や舞踊、儀式などの無形文化財を維持・保存し、これを利用して観光客を引き付けるとともに、少数民族の特産品を観光客向けの土産物にすることが狙いです。この計画により、赤ザオ族の薬草風呂用の薬草、ターフィン村の錦織、サンルン村のお酒、テイ族の籐細工などが多くの観光客が買い求める人気の土産物となっています。これは観光客の誘致だけでなく、村人の収入増加にも役立っています。ラオカイ省文化スポーツ観光局の文化遺産管理課のズオン・トゥアン・ギア課長は次のように語りました。
(テープ)
「ラオカイ省は観光を先端的な産業と見なしています。ラオカイ省の観光を促進するための最も重要な対策は少数民族の豊かな文化の保存と開発です。多くの文化財は観光客を引き付ける観光商品となっています」
ラオカイ省はベトナム有数の観光地として人気があり、今後さらに国内外の観光客を誘致していくことが期待されています。