ランソン省にあるヌン族の村

ベトナム北部山岳地帯のランソン省は、少数民族ヌン族が最も多く居住している地方です。その中でも、チラン県はヌン族の集中している居住地です。

ランソン省にあるヌン族の村 - ảnh 1

ハノイから北へ約120キロメートル離れたところにあるランソン省チラン県は、かつて北方から来た侵略者との多くの戦いが起きたところで、ベトナムの祖国防衛歴史において有名な地名です。チラン県は19の地区からなりますが、どこの地区にはヌン族が住んでおり、ヌン族ならではの風俗習慣を保っています。ランソン省の文化担当者チエウ・トゥイ・ティエンさんは次のように語りました。
(テープ)

「ヌン族は昔から村と集落というコミュニティを作って暮らしています。そのコミュニティはつながりが強いです。ヌン族の言葉には「遠い兄弟を売って近い他人を買う」ということわざがあります。このことわざは、日常生活では、遠いところに住む兄弟より近い人達の方がお互いに助け合うことができるという意味です。それは強固なコミュニティを作ってきたのです。」

ヌン族の村の多くは山々にあるので、それらの村を訪れたいならば、険しい山道を行かなければなりません。その一方で、ヌン族の村は別世界に迷い込んだかと思うほど美しい自然風景に恵まれています。また、平穏な生活、暖かいもてなし、独特な文化などはこの地に足を運んだことのある観光客を魅了します。

ヌン族は元々稲作と畜産を主な本業としてきましたが、近年果物の栽培もやっています。その中で、お釈迦様の頭に似た「ナー」という果物(釈迦頭:しゃかとう)の栽培が広がっています。ナーは主な作物の一つとなり、地元の人々の生活改善に寄与しています。チラン県に住むチエウ・ティ・ニャットさんは次のように話しました。
(テープ)

「我が家は稲作のほか、ナーの栽培と畜産をやっています。バンレイシは主な収入源となっています。バンレイシの栽培により、新しい家を建てて新しい家具を買うことができました。」

生活が改善されるにつれてヌン族の村は大きく変貌しています。土壁で固められた伝統的な家や高床式の家はまだたくさん残っていますが、半面レンガなどを使用して建てられた家が増えつつあり、2階建ての家もできてきました。それにしても、コミュニティが強固なヌン族の村は、依然として変わっていません。


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