ロロ族の先祖を祀る信仰

(VOVWORLD) - 少数民族ロロ族の信仰の中で最も重要なものは、先祖を祀る信仰です。この信仰はお正月や旧暦の7月15日に、そして、結婚式、家の新築式などで行われます。
ロロ族の先祖を祀る信仰 - ảnh 1 先祖を祀る儀式

ロロ族は、先祖の3代までしか祀りません。4代目の人が亡くなれば、1代目の先祖を森に送る儀式を催します。全ての家族は祭壇を設置しています。祭壇は、真ん中の部屋に置かれ、中央ドアに面しています。祭壇には、先祖の魂を象徴する木製の人形が置いてあります。

それぞれの世帯には祭壇がありますが、一族の先祖を祀る儀式はお正月にその一族の長男の家で行われ、その一族にとって最も重要なイベントとなります。そして、旧暦の7月に、それぞれの家族は先祖を祀る儀式を行います。ロロ族の文化に詳しい写真家フン・バオさんは次のように語っています。

(テープ)

「先祖を祀る儀式を旧暦の7月の半ばに行う他の民族と違って、ロロ族は旧暦の7月の24日から26日までの間に行っています。ロロ族の村長によりますと、かつてとても貧しかったロロ族の人々は、旧暦の7月の半ばまで畑で働かなければなりませんでした。収穫期なので農産物を完全に収穫してからにしたかったのです。」

ロロ族の先祖を祀る信仰 - ảnh 2 先祖を祀る儀式で披露された踊り

先祖を祀る儀式の3日間、畑仕事や遊び、工芸活動などは禁止されます。儀式のお供え物は一頭の豚、二羽の鶏、ご飯、おこわ、お酒、銅製の太鼓などです。ご先祖に豊作や幸運などを祈願するため、お供え物は最も良いものでなければなりません。儀式をやるのは祈祷師2人と祈祷師のアシスタント1人です。儀式の最初に、大家さんが二羽の鶏、2個の大きいご飯の固まり、40個の小さいご飯の固まり、そして、お酒を入れる12の茶碗を祭壇に置きます。先ほどのフン・バオさんは次のように話しています。

(テープ)

「ロロ族の人々の考えでは、世界は、天と地の子どもであり40種類の植物から生まれたと思っています。2個の大きいご飯の固まりは天と地を、そして、お酒を入れる12の茶碗は一年の12ヶ月を象徴します。」

その後、祈祷師は祈祷書を読んで、先祖を儀式に招待し、子孫のお供え物を先祖に差し上げます。

儀式は1時間以上、行われますが、儀式の間、大家さんは玄関の前でご飯の固まりを振り撒きます。それは、食べ物がない魂が儀式を妨げないようにするためです。儀式後、親族の人たちが集まって、酔っ払うまで飲みます。そして、翌日はみんな休みで、働きません。

ロロ族の先祖を祀る信仰は、先祖の恩に報いるためのもので、コミュニティー、並びに、家族のつながりの強化に役立つと評されています。2012年に国の無形文化遺産として認定されたこの信仰は、これからもロロ族の精神生活に重要な存在であり続けています。

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